第79回センバツ高校野球:宇部商2年ぶり春切符 夢舞台、活躍に期待 /山口
◇ミラクル旋風巻き起こせ
ミラクル旋風巻き起こせ--。第79回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)への出場が決まった宇部商(宇部市際波)では26日、喜びの一報に選手をはじめ、保護者、OBらは歓喜に包まれた。2年ぶり7回目となる夢舞台の切符。選手たちはみなぎる闘志を胸に健闘を誓い合った。一方、「21世紀枠」の中国地区代表候補、華陵(下松市末武上)は選考に漏れ、補欠校となった。組み合わせ抽選会は3月15日午前9時から大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで。大会は同23日から12日間、阪神甲子園球場で開かれる。
「ありがとうございます。謹んでお受けいたします」。午後3時48分、選考委員会からの吉報の電話に、山根多野真路校長は答えた。校長室の張りつめていた空気が一気になごんだ。
中富力監督は山根校長とがっちり握手。選手たちは授業後、慌ただしくユニホームに着替え、玄関前に整列した。
報告を待ちきれない様子の選手たちに、山根校長は「センバツ出場が決まりました。今まで支えてくれた方々への感謝を忘れず、勝利を目指してください」とあいさつ。選手全員、喜びをかみしめながら一礼した。
さらに中富監督が「センバツでの1勝を目標に、これからも厳しい練習を続けるので頑張りましょう」と呼び掛け、生徒や保護者も「おめでとう」と祝福の声を送った。
選手たちは一斉に中富監督に駆け寄り胴上げ。笑顔でガッツポーズするなどして喜びをかみしめた。「絶対勝つぞ」と国本鐘悟主将。この掛け声を合図に、帽子を高々と空に投げ、気持ちを爆発させた。
原田直輝選手は「ずっとセンバツに向けて準備してきた。不安だったので本当にうれしい」とホッとした表情。国本主将は「授業中もひやひやしていた。憧れの甲子園で宇部商の野球を見せたい」と意気込んだ。
中富監督は「自分が選手として出場した83年の春の時よりもうれしい。今年度の創部70周年、秋の学校創立80周年に花を添えることができてよかった」と笑顔を見せた。
◇県民とともに期待--二井関成知事
皆さんのご健闘を心からお祈りいたします。今大会においても「ミラクル宇部商」の名が全国に響き渡ることを県民とともに期待しております。
◇持ち味十分発揮を--藤井俊彦県教育長
心からお喜び申し上げます。選手の皆さんの快挙をたたえるとともに、持ち味を十分生かした活躍を期待します。
◇18万市民に喜び--藤田忠夫宇部市長
18万市民共々喜びはひとしおです。大会までじっくり練習を積まれ「ミラクル宇部商」に更なる磨きをかけ、甲子園での活躍をお祈り申し上げます。
◇自分たちを信じて--木村繁・県高野連会長
中国大会で見せたチーム一丸となった集中力と粘り強さ、一戦ごとに力をつけてきた総合力が評価された。自分たちの野球を信じて、県代表として力いっぱい悔いのない試合をしてほしい。山口県旋風を期待している。
◇春夏18回出場、準Vも
宇部市立宇部商業実践学校として1927年に創設。53年、現在の校名に変更した。全日制で商業科、情報利用技術科を設置している。生徒数は471人、うち女子は341人。資格取得などの実践的な教育に取り組み、県内の有力企業に多くの人材を輩出している。
野球部は36年に創部。甲子園出場は春6回、夏12回で、85年夏は準優勝を果たした。05年夏も好永貴雄投手(西濃運輸)を中心にベスト4に進出した。春夏通算24勝の玉国光男前監督(現総監督)時代、球史に残る逆転劇を数多く生み「ミラクル宇部商」として全国に知られた。
OBには西武の上本達之捕手ら。パ・リーグ審判の秋村謙宏さんは、宇部商時代に投手として中富力監督とバッテリーを組んだ。
◇出場決定の号外配布
毎日新聞社は26日午後4時半ごろから宇部市の大型商業施設やJR宇部駅などで、宇部商のセンバツ出場決定を報じる号外約5000部を配った。
号外を手にした大学生らは一様に「よかった、よかった」などと話し、出張中の会社員は「地元からは選ばれなかったが、宇部商にはいつもの粘りで頑張ってほしい」とエールを送った。
打順 守備位置 氏名 学年 身長 体重 投打 出身中 打数 安打 本塁打 盗塁 打率
5 投 高橋貴洋 2 173 67 右左 楠 30 7 0 1 .233
4 捕 原田直輝 2 183 75 右右 川上 37 17 1 3 .459
3 一 下井修平 2 176 76 右右 楠 37 16 0 0 .432
2 二 中田雄貴 2 174 71 右左 川上 35 14 0 1 .400
6 三 三上慎司 1 165 61 右左 厚狭 28 7 1 2 .250
7 遊 林裕行 1 172 62 右右 厚南 29 5 0 1 .172
8 左 白川原俊介 2 174 70 右右 室積 12 1 0 0 .083
9 中 河内山大起 2 173 61 右左 柳井南 33 13 0 3 .394
1 右 ◎国本鐘悟 2 178 72 右右 木屋川 36 11 0 4 .305
補 土居将大 2 168 63 右左 桃山 - - - - -
〃 桂佑輔 2 178 66 右右 川上 4 1 0 0 .250
〃 片島志文 2 179 77 右右 神原 - - - - -
〃 豊田祥吾 2 172 70 右右 厚南 - - - - -
〃 秋山達也 2 164 50 右右 小郡 - - - - -
〃 三輪直哉 2 170 61 右右 高千帆 10 2 0 1 .200
〃 木村拓也 2 172 64 右左 厚南 7 2 0 1 .286
〃 野口直人 2 170 59 右左 藤山 0 0 0 0 .000
〃 藤本祥太 2 174 78 右右 湯田 - - - - -
〃 福嶋雄大 1 165 69 右右 勝山 - - - - -
------------------------------
計 298 96 2 17 .322
------------------------------
投手 試合 完投 回 被安打 三振 四死球 自責点 防御率
高橋 7 5 55・1/3 38 41 16 12 1.95
三上 4 1 23・2/3 21 14 6 5 1.90
部長 原野博範(38)
監督 中富力(41)
毎日新聞 2007年1月27日
◇ミラクル旋風巻き起こせ
ミラクル旋風巻き起こせ--。第79回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)への出場が決まった宇部商(宇部市際波)では26日、喜びの一報に選手をはじめ、保護者、OBらは歓喜に包まれた。2年ぶり7回目となる夢舞台の切符。選手たちはみなぎる闘志を胸に健闘を誓い合った。一方、「21世紀枠」の中国地区代表候補、華陵(下松市末武上)は選考に漏れ、補欠校となった。組み合わせ抽選会は3月15日午前9時から大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで。大会は同23日から12日間、阪神甲子園球場で開かれる。
「ありがとうございます。謹んでお受けいたします」。午後3時48分、選考委員会からの吉報の電話に、山根多野真路校長は答えた。校長室の張りつめていた空気が一気になごんだ。
中富力監督は山根校長とがっちり握手。選手たちは授業後、慌ただしくユニホームに着替え、玄関前に整列した。
報告を待ちきれない様子の選手たちに、山根校長は「センバツ出場が決まりました。今まで支えてくれた方々への感謝を忘れず、勝利を目指してください」とあいさつ。選手全員、喜びをかみしめながら一礼した。
さらに中富監督が「センバツでの1勝を目標に、これからも厳しい練習を続けるので頑張りましょう」と呼び掛け、生徒や保護者も「おめでとう」と祝福の声を送った。
選手たちは一斉に中富監督に駆け寄り胴上げ。笑顔でガッツポーズするなどして喜びをかみしめた。「絶対勝つぞ」と国本鐘悟主将。この掛け声を合図に、帽子を高々と空に投げ、気持ちを爆発させた。
原田直輝選手は「ずっとセンバツに向けて準備してきた。不安だったので本当にうれしい」とホッとした表情。国本主将は「授業中もひやひやしていた。憧れの甲子園で宇部商の野球を見せたい」と意気込んだ。
中富監督は「自分が選手として出場した83年の春の時よりもうれしい。今年度の創部70周年、秋の学校創立80周年に花を添えることができてよかった」と笑顔を見せた。
◇県民とともに期待--二井関成知事
皆さんのご健闘を心からお祈りいたします。今大会においても「ミラクル宇部商」の名が全国に響き渡ることを県民とともに期待しております。
◇持ち味十分発揮を--藤井俊彦県教育長
心からお喜び申し上げます。選手の皆さんの快挙をたたえるとともに、持ち味を十分生かした活躍を期待します。
◇18万市民に喜び--藤田忠夫宇部市長
18万市民共々喜びはひとしおです。大会までじっくり練習を積まれ「ミラクル宇部商」に更なる磨きをかけ、甲子園での活躍をお祈り申し上げます。
◇自分たちを信じて--木村繁・県高野連会長
中国大会で見せたチーム一丸となった集中力と粘り強さ、一戦ごとに力をつけてきた総合力が評価された。自分たちの野球を信じて、県代表として力いっぱい悔いのない試合をしてほしい。山口県旋風を期待している。
◇春夏18回出場、準Vも
宇部市立宇部商業実践学校として1927年に創設。53年、現在の校名に変更した。全日制で商業科、情報利用技術科を設置している。生徒数は471人、うち女子は341人。資格取得などの実践的な教育に取り組み、県内の有力企業に多くの人材を輩出している。
野球部は36年に創部。甲子園出場は春6回、夏12回で、85年夏は準優勝を果たした。05年夏も好永貴雄投手(西濃運輸)を中心にベスト4に進出した。春夏通算24勝の玉国光男前監督(現総監督)時代、球史に残る逆転劇を数多く生み「ミラクル宇部商」として全国に知られた。
OBには西武の上本達之捕手ら。パ・リーグ審判の秋村謙宏さんは、宇部商時代に投手として中富力監督とバッテリーを組んだ。
◇出場決定の号外配布
毎日新聞社は26日午後4時半ごろから宇部市の大型商業施設やJR宇部駅などで、宇部商のセンバツ出場決定を報じる号外約5000部を配った。
号外を手にした大学生らは一様に「よかった、よかった」などと話し、出張中の会社員は「地元からは選ばれなかったが、宇部商にはいつもの粘りで頑張ってほしい」とエールを送った。
打順 守備位置 氏名 学年 身長 体重 投打 出身中 打数 安打 本塁打 盗塁 打率
5 投 高橋貴洋 2 173 67 右左 楠 30 7 0 1 .233
4 捕 原田直輝 2 183 75 右右 川上 37 17 1 3 .459
3 一 下井修平 2 176 76 右右 楠 37 16 0 0 .432
2 二 中田雄貴 2 174 71 右左 川上 35 14 0 1 .400
6 三 三上慎司 1 165 61 右左 厚狭 28 7 1 2 .250
7 遊 林裕行 1 172 62 右右 厚南 29 5 0 1 .172
8 左 白川原俊介 2 174 70 右右 室積 12 1 0 0 .083
9 中 河内山大起 2 173 61 右左 柳井南 33 13 0 3 .394
1 右 ◎国本鐘悟 2 178 72 右右 木屋川 36 11 0 4 .305
補 土居将大 2 168 63 右左 桃山 - - - - -
〃 桂佑輔 2 178 66 右右 川上 4 1 0 0 .250
〃 片島志文 2 179 77 右右 神原 - - - - -
〃 豊田祥吾 2 172 70 右右 厚南 - - - - -
〃 秋山達也 2 164 50 右右 小郡 - - - - -
〃 三輪直哉 2 170 61 右右 高千帆 10 2 0 1 .200
〃 木村拓也 2 172 64 右左 厚南 7 2 0 1 .286
〃 野口直人 2 170 59 右左 藤山 0 0 0 0 .000
〃 藤本祥太 2 174 78 右右 湯田 - - - - -
〃 福嶋雄大 1 165 69 右右 勝山 - - - - -
------------------------------
計 298 96 2 17 .322
------------------------------
投手 試合 完投 回 被安打 三振 四死球 自責点 防御率
高橋 7 5 55・1/3 38 41 16 12 1.95
三上 4 1 23・2/3 21 14 6 5 1.90
部長 原野博範(38)
監督 中富力(41)
毎日新聞 2007年1月27日