「カーボンオフセット」という言葉は、2~3年ほど前より
企業活動の中の言葉として聞くようになり、
今では、商品カタログ、衣類など、身近な商品・サービスから、
ホテルの宿泊プラン、結婚式まで広がってきました。
企業活動の中の言葉として聞くようになり、
今では、商品カタログ、衣類など、身近な商品・サービスから、
ホテルの宿泊プラン、結婚式まで広がってきました。
カーボンオフセットは、
なんとなく環境に関する言葉であることはわかりますが、
「カーボン」「オフセット」などカタカナ用語の組み合わせで、
今ひとつ、具体的なイメージがわかない方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
なんとなく環境に関する言葉であることはわかりますが、
「カーボン」「オフセット」などカタカナ用語の組み合わせで、
今ひとつ、具体的なイメージがわかない方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
インターネット等で調べてみても、
「クレジット」「CDM」「CER」「VER」などの略語
などとともに出てきて、
ますますわからなくなってしまいます。
「クレジット」「CDM」「CER」「VER」などの略語
などとともに出てきて、
ますますわからなくなってしまいます。
そこで今回は、カーボンオフセットと
森林に関わる事例をご紹介いたします。
森林に関わる事例をご紹介いたします。
●ゴミオフセット
はじめに、ゴミ削減の例え話で考えてみます。
ある会社A社では、自社が毎月出す大量のゴミうち
100kgを減らそうと目標を立てました。
100kgを減らそうと目標を立てました。
社員が懸命になって、コピー用紙の裏紙を利用したり、
古いOA機器はリサイクルにしたり、
さまざまな取り組みをしましたが、
社員全員で精一杯に頑張っても毎月80kgまでしか
減らすことができませんでした。
古いOA機器はリサイクルにしたり、
さまざまな取り組みをしましたが、
社員全員で精一杯に頑張っても毎月80kgまでしか
減らすことができませんでした。
そこで、どうしても減らせなかった残りの20kg分は、
社員全員でオフィスの近くの街でゴミ拾いをして
埋め合わせ(=オフセット)をすることにしました。
社員全員でオフィスの近くの街でゴミ拾いをして
埋め合わせ(=オフセット)をすることにしました。
A社の社員は、街に出て、無造作に捨てられている
空きビン、ペットボトル、雑誌など、
リサイクル(再資源化)可能なものを回収し、
リサイクル業者さんに引き取ってもらいました。
空きビン、ペットボトル、雑誌など、
リサイクル(再資源化)可能なものを回収し、
リサイクル業者さんに引き取ってもらいました。
結果として、A社内では、最善を尽くしても
毎月80kgまでしか減らせませんが、
近隣の街で残りの20kg分のゴミ拾い(再資源化)を
継続することにより、
20kgの不足分の埋め合わせをしたわけです。
毎月80kgまでしか減らせませんが、
近隣の街で残りの20kg分のゴミ拾い(再資源化)を
継続することにより、
20kgの不足分の埋め合わせをしたわけです。
いわば「ゴミオフセット」です。
(以上、たとえ話です)
●カーボンオフセット
カーボンオフセットもこれと似ています。
企業活動や家庭で出さざるを得ないCO2、
どうしても減らせないCO2を、
どこか別の取り組みで減らそうというのが
カーボンオフセットです。
どうしても減らせないCO2を、
どこか別の取り組みで減らそうというのが
カーボンオフセットです。
カーボンとは炭素のことですが、
具体的には二酸化炭素CO2のことです。
具体的には二酸化炭素CO2のことです。
つまり、カーボン(=二酸化炭素CO2)のオフセット
(=埋めあわせ、相殺)です。
(=埋めあわせ、相殺)です。
仮に、火力発電による電力すべてを
風力発電で替えたとした場合、
CO2の排出量は25分の1になります。
風力発電で替えたとした場合、
CO2の排出量は25分の1になります。
CO2の相殺に使うことができます。
この排出削減量は認証機関で厳格に検証、認証されて
「排出権」とか「クレジット(CER、VER)」
などと呼ばれるようになり、
環境にやさしい企業活動を行うため、取引されることがあります。
「排出権」とか「クレジット(CER、VER)」
などと呼ばれるようになり、
環境にやさしい企業活動を行うため、取引されることがあります。
●ルミネのカーボンオフセットの取り組み
節電や屋上緑化、バイオ発電を導入をするなど、
さまざまなCO2の排出削減に
取り組んでいる企業も少なくありません。
JRや都市銀行が出資している
ショッピングセンターのルミネでは、
社員の通勤時に排出する二酸化炭素まで
削減する取り組みを行っています。
さまざまなCO2の排出削減に
取り組んでいる企業も少なくありません。
JRや都市銀行が出資している
ショッピングセンターのルミネでは、
社員の通勤時に排出する二酸化炭素まで
削減する取り組みを行っています。
その内容は次のとおりです。
高知県のあるセメント工場では、
日々、ボイラーで化石燃料の石炭を燃焼させて、
セメントを生産しています。
日々、ボイラーで化石燃料の石炭を燃焼させて、
セメントを生産しています。
当通信でも何度かお伝えしていますが、
化石燃料は地下深くから掘り出して使われるため、
大気中のCO2を増大させ、地球温暖化を進めてしまいます。
化石燃料は地下深くから掘り出して使われるため、
大気中のCO2を増大させ、地球温暖化を進めてしまいます。
そこで、そのボイラーの燃料を未利用の林地残材
(=山に捨てられ、活用されていない間伐材等)に替えれば、
二酸化炭素の排出量を削減することができます。
(=山に捨てられ、活用されていない間伐材等)に替えれば、
二酸化炭素の排出量を削減することができます。
しかも、木材を燃焼させることにより排出されるCO2は
もともと大気中に含まれていたものが、
光合成によって樹木に固定されていたものなので、
大気中に還元されるだけです。
もともと大気中に含まれていたものが、
光合成によって樹木に固定されていたものなので、
大気中に還元されるだけです。
いつかまた、森林の木々に吸収され、
いつか燃焼し・・・と繰り返し(循環)なので、
実質的には、大気中のCO2を増やすことはありません
〔→カーボンニュートラル(第26号)〕。
いつか燃焼し・・・と繰り返し(循環)なので、
実質的には、大気中のCO2を増やすことはありません
〔→カーボンニュートラル(第26号)〕。
燃料を換えることにより減らすことのできたCO2量は
排出権とかクレジットと呼ばれます。
排出権とかクレジットと呼ばれます。
クレジットは、それを認証する機関によりCERとかVER
(=どちらも「認証された(CO2)の排出削減量」※)と呼ばれ、
売買することが可能です。
(=どちらも「認証された(CO2)の排出削減量」※)と呼ばれ、
売買することが可能です。
ルミネでは、高知県から購入したクレジットを
社員が通勤時にバスや電車を利用することにより
排出されるCO2の相殺(カーボンオフセット)に使っています。
社員が通勤時にバスや電車を利用することにより
排出されるCO2の相殺(カーボンオフセット)に使っています。
つまり、どうしても減らせない社員の通勤時に排出されるCO2を
他の取り組みで減らすことにより埋め合わせをし、
とことん環境にやさしい企業活動を実現しているのです。
他の取り組みで減らすことにより埋め合わせをし、
とことん環境にやさしい企業活動を実現しているのです。
カーボンオフセットの取り組みはさまざまですが、
森林を活用した取り組みが広がれば、
衰退しつつある日本の森林と林業の活性化が見込まれ、
日本に元気な森林が増えて、
地球温暖化を抑えることもできるのです。
森林を活用した取り組みが広がれば、
衰退しつつある日本の森林と林業の活性化が見込まれ、
日本に元気な森林が増えて、
地球温暖化を抑えることもできるのです。
(木づかい友の会通信〔第30号〕)