気楽な独り言

(有)山野工務店を経営。 国産材を使い、職人の手作りにこだわった家造りをしています。 新築住宅やリフォームなどの事例をご紹介します。 また時々好きな旅行の記事や日々の出来事なども投稿していきます。

2009年11月

木造軸組工法の魅力 Part08:人の眼は木目を選ぶ

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  Part08:人の眼は木目を選ぶ
 
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  めまいを感じる空間があります。

  東京国際フォーラムのホールAや
  養老天命反天地(岐阜県にある公園)などがその一例です。

  前者は左右に配置された光壁パネルの模様が
  斜めになっているからで、
  後者は地面が盛り上がったり窪んだりしている上に
  オブジェが斜めに突き刺さっているからです。

  あの大震災の後にも船酔いの症状を
  起こす人がいたといいます。

  これらから、人の目は自然に垂直な物を
  探し出していることがわかります。

  では、どうして、垂直な物を探してしまうのでしょうか。

  佐藤方彦先生は、人間の視覚系統の発達にとって
  最も重要な時期は生後18ヶ月~24ヶ月であり、
  その時期に家屋や周囲の垂直や水平を見ているため、
  第一次視覚野にその図形を検出する細胞が
  特に発達している、と言っています。

  鳥の子が最初に見たものを母親だと思って
  ついて歩く刷り込み(インプリンティング)
  のようなもので、2歳までに見た物に
  好感を持つようになっているのだと思います。

  有名な九鬼周造の「いきの構造」で
  「最も粋な図案は縦縞である。」
  と言っているのもうなずけます。


  このように、ついつい目が欲する垂直線。

  では、「心地のいい垂直なものは?」というと、
  それは木目であると思います。

  山田正先生は、木目は「1/fゆらぎ」を持っている、
  と言っています。

  「1/fゆらぎ」を持つものは人に
  心地の良い印象を与えると言われており、
  エアコンの風量調節などに応用され、
  一時さかんに宣伝されていたのを
  覚えている人も多いのではないでしょうか。

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  農林水産省森林総合研究所の宮崎良文先生による
  「木目と快適性の実験」で
  「心地のいい垂直なものは木目である」
  という事を裏付けるような結果が出ています。

  その実験は白壁の部屋と、ヒノキ壁の部屋に
  入ったときの血圧の変化を調べたものです。

  好きなものを見たときには血圧が下がり、
  嫌いなものを見たときには血圧が上がる事で
  ストレスとなっているかどうかがわかります。

  白壁が好きだと答えたグループの場合は、
  血圧が下がり、嫌いだと答えたグループは
  血圧が上がります。

  ヒノキの壁が好きだと答えたグループの場合は、
  血圧が下がるのは当然のことながら、
  しかし、嫌いだと答えたグループも
  白壁が嫌いだと答えたグループほど
  血圧が上がらないことが解ったそうです。

  意識した好き嫌いの判断に対して
  無意識のレベルではそれほど嫌いではないと
  判断していることがわかります。

  遊びに行ったお宅に木の柱や梁などが見えていると、
  ついつい長居してしまうかもしれません。

  木で家を造ってきた我々の遺伝子に、
  木目を好んで探し出す力が備わっているのだと思います。

  ちなみに、関西では板目模様、
  関東では柾目模様が好まれる傾向があると聞きます。

  江戸時代、もしかするとそれ以前からの
  長い期間に培われた、お茶室等の銘木文化と、
  武家屋敷等の文化の蓄積が、
  地域性のある好みに現れているのかもしれませんね。

 ■参考文献
  •「日本人の鼻はなぜ低い?生理人類学の眼」佐藤方彦 日本経済新聞社 1990
  •「木質環境の科学」山田正 海青社 1987
  •「フォレストリー・フォーラム 自然の恵みを語る 森と古代文明/木と暮らす。
   人と自然、ともに生きる住まい」宮崎良文他 住友林業フォレストリー・フォーラム事務局 1998
  •「木と森の快適さを科学する」宮崎良文 全国林業改良普及協会 2002

  (きすみふぁみりー)

母屋とのつなぎ 土間コンクリート仕上げ

11月26日 土間コンクリート仕上げ

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  土間コンクリート打ちの
  仕上げ工事が行われました。

  昨日打ったコンクリートの上に
  モルタルが塗られ、
  土間を仕上げました。

  これで作り付けの建具が
  入るといよいよ完成です。

木造軸組工法の魅力 Part07:さかさまの建て方

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  Part07:さかさまの建て方

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  ひとりの旅人がある国を訪ねました。

  その国では何もかもがさかさまでした。

  例えば、彼の国では新聞は右綴じで
  文字の書き出しは左から右へと流れ、
  上から下へと行を重ねていくのに、
  その国では左綴じで、上から下へ文字が流れ
  右から左へと行を重ねていきます。

  車は左側を通り、運転席も左側についています。

  玄関扉は押して入るのではなく引いて入りますので、
  玄関先でとまどいます。

  その国の人がなんでもさかさまに考えているというのは、
  その話し方からも想像できます。

  その国の人は、形容詞や目的語などを先にして、
  動詞を最後にくっつけて話すから
  何を話したいのかは最後まで聞かないとわかりません。

  そして、住宅建設にもそのさかさまぶりは発揮されています。

  のこぎりは押すときではなく
  引く時に切れるようになっていますが、
  それだけではありません。

  住宅の作り方は床から順に建てるのではなく、
  宙にかかる屋根から作り上げていくのです。


  この旅人のモデルは今から約130年前に
  静岡に赴任したE.W.クラークというアメリカ人教師です。

  彼は、次のような感想を持っています。

  「・・・日本人が物事をなす場合に、
  その物事についてのわたしたちの先入観と
  同じ方法で行うことは、全く日本人の性質に
  反するということである。

  日本の家屋では、屋根が最初に作られて、
  その他の部分は後回しである。

  日本人は一種の神聖な本能で、
  いつも最も高い所から始めて、
  下へ仕事を進める。

  穴を掘るとか、のこぎりを使うとか、
  かんなをかけるとか、材木を切るとか、孔をあけるとか、
  ねじ釘をしめるとかいうような日常の小さい仕事でも、
  西半球の人々のやり方とは正反対である。・・・」(1)と。

  クラーク教師の言い分は少し大げさではありますが、
  木造軸組工法住宅では上棟までは
  一気呵成に組み上げてしまうので、
  急に宙にかかる屋根ができあがったように見えます。

  ここまでの作業を建前と言います。

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  一気呵成に組み上げるために木材の端部には
  あらかじめ刻みを入れておきますので、
  建前は匠の技が試される作業でもあります。

  その後の作業ではまず屋根材を葺くため、
  屋根がテントがわりになって、
  雨水を建物内に入りにくくしながら
  工事を進めることができます。 

  これは、雨によって建物内部に湿気が入り
  抜けなくなるのを最小限にするためです。

  アメリカで開発されたツーバイフォー住宅の
  プラットフォーム工法では、
  床の次に壁、壁の次に2階の床、
  その次に2階の壁、そして、屋根、と
  屋根が最後です。

  これでは、その途中に少しでも雨が降ると
  建物の中が濡れてシミができてしまいます。

  見栄えが悪くなるだけでなく、
  壁の内部に湿気が残ると、
  カビの原因になったり、
  腐ったりすることも考えられます。

  日本には不向きな工法と言えるでしょう。

  日本の建て方は日本の気候に合わせて、
  何百年もの間に工夫されてきました。

  建て方がさかさまなのは、
  決して日本人がアマノジャクだからという
  理由ではなく意味があることなのです。

  さて、建前の済んだ木造軸組工法住宅では、
  まだ耐力壁もできていないうちに屋根ができているので、
  ゆらゆら揺れやすくなっていますから、
  仮筋かいという斜め材を適当に打ち付けて
  工事中の屋根を支えます。

  その後本格的にゆがみ直しをして
  仮筋かいをはずしながら
  屋根以外の部分を作りあげていきます。

  工事中の家を見てください。

  仮筋交いまで終わらせた職人さんは、
  とりあえずホッとした表情をしている事でしょう。

 ■参考文献
  1.外国人が見た日本第2巻(昭和36年)岡田章雄編、筑摩書房

  (きすみふぁみりー)

熊本 栗山温泉 紅さんざし

11月23日 栗山温泉 紅さんざし

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  次男の披露宴のため、
  我が家に泊まっていた義母を
  熊本県荒尾市まで送って行き、
  帰りに近くにある
  栗山温泉 紅さんざしに寄りました。

  祭日ということもあり、
  車が沢山泊まっていました。
  
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  1700円~3000円まで13種類の家族湯があります。
  
  丁度空いた1700円の南天という
  部屋に入ることにしました。

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  脱衣所はクロス張りでしたが
  作り付けのドアは無垢の杉で作られていて
  好感が持てました。

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  各室、内湯と露天風呂があり、
  内湯は桧の枠と御影石、
  
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  露天風呂は岩でできていて、
  どちらも源泉が掛け流しで
  常に注がれています。

  三加和、平山といった
  アルカリ度の強い有名な温泉が
  近くにあるせいか、
  ここもアルカリ性独特の
  ツルツル感を強く感じました。
  

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  道路側で、景色は楽しめませんでしたが
  掛け流しのお湯に浸かりながら
  こじんまりとした庭を眺め
  丁度いい湯加減のお湯に
  時間一杯入っていました。


  温泉数: 貸切個室風呂13棟 (山側 : 7棟、道路側 : 6棟) 設置

  泉 質: アルカリ性単純弱放射能温泉(アルカリ性 低張性 温泉)

  pH値 : 9.98 (23.5℃)

  湧出量: 133l/min(動力5HP)

  泉 温: 39.4℃

  効 能: 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり等

  受付時間:10:00~24:00 (入浴可能 25:00まで)

母屋とのつなぎ 土間コンクリート打ち

11月25日 土間コンクリート打ち

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  犬走りの土間コンクリート打ちを
  行いました。

  砕石の上に鉄筋を組み、

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  荒のコンクリートを打ちました。

  仕上げは翌日の予定です。

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  つなぎ部分の内部にも
  コンクリートが打たれました。
  
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  杉無垢材で作った建具が
  取り付けられ、母屋からも
  出入りできるようになりました。

  つなぎの工事もあと少しとなりました。
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