木のある暮らしと私 4.薪き割り体験 筋肉痛マン さん(茨城県)
職場の後輩が、木をたくさん使った新居を作っているところで、
その新居には薪ストーブを導入することになっている。
薪を調達する必要に迫られていたところへ、職場の先輩から、
「ウチの実家は山があるから、杉を間伐したのでよければ、
どんどん薪にして持っていっていいよ」とお声がかかった。
後輩は薪ストーブ使用の同志と、何回か間伐材の薪割り作業をやっている。
今回は私にも声がかかり、前から、山の手入れに関心があったので、
やらせてもらった。
薪割りは、斧を振るってやっていく。
私は錠を使って大きな薪を小さくしたことはあるが、斧は使ったことがない。
斧は重い。使い方のコツを掴むのに、1時間位かかった。
まず、薪は切り株などの固いところに立てる。
丸太は切り株側(根元側)を上に向ける。
足はやや広げ、斧を振るって勢いがつき過ぎて戻った時に備えて、
怪我を防ぐようにする。
斧は重いものなので、基本的には斧の重さを利用するが、
最後まで割るために、割った瞬間に腰を落とすなどして垂直に振り切る。
垂直に落とさないと回転して、自分の足などに戻るので注意がいる。
斧は、左腕で使い、右腕(利き腕)は添えるだけにする
(これが出来なかったので、今右腕がかなり痛い)。
割る時木片などが飛び散るので、人が離れている状態で行う。
自分にも跳ね返ることが考えられるので、これにも注意が必要だ。
本当は、薪は堅い木が望ましいという。
今回の間伐材は杉であるから、軟らかい。
焚き付けには向いているが、火の持ちが良くないそうだ。
しかしながら、切り倒したまま放置しておくくらいなら、
薪にしてもらった方が良いとのことで、ありがたくいただく。
20年くらい育った杉である。
木材がちゃんと評価されているのなら、間伐材であっても、
用材になっていたであろうに。
そう考えると、ちょっと複雑な気分になる。
昼食のときなどに、大先輩やそのお父上の話を伺った。
"戦後まもなくの頃は、薪が入手困難であり高く売れたので、
松・などを植えたが、エネルギー革命で価値が大きく低下してしまった。
次に、杉は様々に利用できて市場価値が高いと思って杉を植えたところ、
価格がどんどん下がりこれも割に合わなくなってしまった。
それでも森を荒れたままにしておくのは忍びないので、
とりあえず間伐だけはしている。
ただ、間伐しても使い道がないし、お金にもならない。
放置せざるをえない。
今国、切って倒してある木を薪にするという話で、
何がしかに使って貰えるのであれば、ありがたいことだ。
まだ林内の日当たりが良くないので、もう少し間伐したいと考えている。"
作業は、15時半過ぎに終わりにしたが、
薪になっていない丸太がまだまだ転がっている。
どのくらいお役に立てたかわからないし、
かなり筋肉痛になったが、楽しい体験だった。
この森の近くで、樫を切り倒したものもあるので、
近い内に薪にしようという話があるそうだ。
樫は堅いので、薪には向いているが、斧では割れないので、
樫を打ち込んでウオーハンマーで割るのだそうだ。
いったいどんな薪割りになるのだろう。
(木づかい.com)