●日本は世界第2位の森林大国

   日本は降水量が多く、温暖な気候であるため、ほとんどどこでも木が育つ風土です。

   また、国土が南北に長く、地形が急峻であるため、亜熱帯~亜寒帯まで、
   広い気候帯を持ち、生育する樹種もさまざまです。

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   日本の国土の約7割は森林で、森林率はフィンランドに次いで世界第2位の森林大国。

   新規に植林する土地は稀少です。

   それゆえ自然災害を受けた山に再植林したり、今ある森林を維持、
   管理することが大切です。

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  ●森林はさまざまな恩恵を私たちに与えてくれます

   日本の森林は、二酸化炭素の吸収(=温暖化防止機能)をはじめ、
   多くの動植物の棲息・生育の場(=生物多様性の維持)、降水を一時的に蓄えて、
   ろ過して少しずつ流し出すはたらき(=水源かん養機能)など
   さまざまなはたらきがあります。

   これを森林の持つ公益的機能といい、貨幣換算するとなんと年間70兆円になります(※)。

   (※)日本学術会議の試算

  ●温暖化防止は人工林のコントロールが鍵

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人工林(主にスギ、ヒノキなどの針葉樹)     天然林(主にブナ、ナラなどの広葉樹)

   日本の森林のうち人工林は戦後(昭和20年代後半頃~)、先人たちが、
   将来の木材利用のために植えたスギやヒノキ、カラマツ
   (北海道ではエゾマツ、トドマツ)などの人工林が4割を占めています。

   また5割を占める天然林では、ブナやナラ、カエデなどの広葉樹が主な樹種になります
   (なお、残りの1割は竹林などです)。

   温暖化防止の観点からは、この人工林のコントロールが重要です。

   天然林も確かに温室効果ガスである二酸化炭素を吸収しますが、
   一方では、枯死木(こしぼく)や倒木、落葉・落枝などが分解されて
   二酸化炭素が放出されるため、高齢の天然林では、
   その吸収量と放出量がつりあっていると言われています。

   二酸化炭素の吸収源としては、天然林に大きな期待を寄せることは難しいようです。

   一方、人工林は針葉樹が主な樹種になります。

   針葉樹(人工林)の方が広葉樹(天然林)よりも
   二酸化炭素をよく吸収することが知られていますし、
   間伐等の手入れを行うとさらにその機能を増進することが期待されています。

   それゆえ、京都議定書では、手入れを行っている人工林が
   二酸化炭素を吸収したものとして認められています(※)。

   ※日本は京都議定書で約束した温室効果ガスの排出削減目標6%(1990年比)のうち
   3.8%を森林による二酸化炭素の吸収で達成する計画です。

  ●日本の木材自給率は約2割

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   手入れが行き届かず荒廃した森林が目立ちます


   日本の木材の自給率は約2割です。

   つまり日本で使われている木材のうち約8割は外国産の木材です。

   戦後まもなく、日本で使われる木材は、ほぼすべてが国産でした。

   しかし、木材輸入の自由化、燃料革命(薪炭から石炭・石油へ)等の理由で
   自給率がすっかり低下してしまったのです。

   その結果、日本の木材は売れなくなり、
   間伐等の森林を手入れする人も少なくなりました。

   そして、人工林の荒廃が目立つようになり、
   二酸化炭素を吸収する機能も低下しています。

   これを改善するためには、日本の国産材製品を使うこと。

   これを推し進めているのが、林野庁が推進する「木づかい運動」です。

  ●森林資源が豊富な日本

   現在、人工林では先人たちが利用目的に植えた木が成熟し、
   利用に適した木々が多くなりました。

   今、伐って、使って、そこに新しい木を植えないと
   私たちの孫の世代で使える木が極めて少なくなってしまいます。

   また、成熟した木よりも若くてよく成長する木のほうが
   よく二酸化炭素を吸収することが科学的にも知られています。

   植林という言葉をよく聞きますが、木を植えて、
   荒廃地等を回復しなければいけないのは、海外の事情です。

   今の日本では、森林資源を積極的に使うことにより、
   健全な森林を育成する時代になっているのです。

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   木づかい友の会通信〔第29号〕