10月1日に建国60周年を迎える中国ですが、金融危機の荒波を乗り越え、
  4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比7.9%増まで急回復してきました。

  IMFによると、08年のGDPは日本が4兆9237億ドル、
  中国が4兆4016億ドルとなっており、日中の差は急速に縮まっています。

  よって、上海万博が開かれる来年には、中国が日本を追い越し、
  米国に次ぐ世界第2位の経済大国に浮上することが確実視されていました。

  しかし、経済産業省が今年6月に発表した通商白書によると、
  今年の中国が年率8%の経済成長を遂げ、
  日本の成長率がマイナス3.5%以下に留まった場合、
  年内にも日中逆転が現実のものになると言うのです。

  「世界第2位の経済大国」が日本の代名詞として使われた期間は40年にも及びます。 

  1968年に国民総生産(GNP)が1419億ドルに達したと
  経済企画庁(当時)が発表したのは、
  大阪万博を翌年に控えた1969年6月10日のことでした。

  実質で前年比14.4%増と言う驚異的な成長率を記録し、
  翌日の朝刊各紙は1面で「西独抜き西側2位」と誇らしげに報じています。

  まさに、今の中国が当時の日本であり、
  残念ながら今の日本は世界第2位の座を明け渡す立場にいます。

  しかし、問題は世界第3位の座も危ぶまれている現実です。

  その背景には、インドやブラジルといった他新興国の存在があり、
  日本に追いつき、追い越せとばかりに猛烈な勢いで追い上げてきています。

  21世紀の世界経済成長率は年平均4%と見込まれていますので、
  それ以上の成長を続けていかない限り、
  日本の国際的な地位低下は避けられない状況と言えます。

  実際、08年7月時点のゴールドマン・サックスの予測によると、
  2050年の国別GDPランキングで日本は10位に後退しており、
  BRICSだけでなく、ネクストイレブンと呼ばれる
  インドネシアやメキシコにも抜かれている可能性があるといいます。

  いずれにせよ、初めて他国に追い越されていく立場となった
  日本経済にどの様な輪郭を持たせ、どう経営していくのか。

  そういう長期的なビジョンを描くことが急務と言えます。

  奇しくもこの夏、日本は戦後初の本格的な政権交代を迎えました。

  衰えつつある日本ですが、かつての活力を取り戻すことができるのでしょうか。

  政策の内容は抜きにしても、人が代わることでしか変えられないことや
  出せない膿みもあるはずです。

  今は新政権の舵取りに期待しています。

  (あるる)