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  Part09:火をてなずける

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  木は、燃える事によって人間を守ってきました。

  木は、建築材料や道具に使われ、もう使い物にならなくなると
  燃料としてその使命を全うし、灰は土に撒かれ良質な土壌を形成し、
  発生したCO2は次の世代の木に取り込まれてきたことは、
  みなさんご存じのことでしょう。

  昔の人は、木の特性を活かして、火をコントロールしてきました。

  合掌造りの囲炉裏の上に、火天(ひあま)という天蓋が設けられていますが、
  これは、上下させることによって温風を調節する伝統的な暖房システムです。

  夏には火天(ひあま)を上げて熱を拡散し、
  最も寒い冬の日には大人が少し背をかがむくらいに火天(ひあま)を下げて
  背中に熱を回すそうです。

  木は260℃前後で引火するので、その温度にまで達しなければ燃えませんが、
  そんな値は知らなくても、火天が燃えないと言うことを経験値で知っていたのは、
  火をてなずけている良い例でしょう。

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  また、木は、他の化学製品と違い、自力で燃焼を進めていくことが苦手です。

  同じ可燃物であっても、例えば、ポリウレタンなどの可燃物だったら、
  1箇所に火を付けるとその物自体の自己燃焼力によって燃え続けます。

  しかし、木材は火が付いたと思って放置しておいても
  自然消火してしまうことが多く見られます。

  これは、自己燃焼力が弱いからです。

  アウトドアで、たき火に最初の火種を作ることが大変なのは、
  こんな木の特性があるからです。

  こんなことから、ポリウレタン等の材料と比べて、
  木は、大事故になる前に自然消火しているものが多いと言えます。

  あってはならないことですが、万が一、火災になってしまった場合、
  発見者は誰しも火を消すことに必死になります。

  しかし、消火活動に夢中になって避難の時期を逃してはいけません。

  初期消火で肝心なことは、避難時期の見極めです。

  火が天井に移ってしまう前に避難をする事が重要です。

  煙で天井が見えなくなってきたらすぐに避難しましょう。

  そして、その避難の際に、木はまたその強みを発揮します。

  木が避難時間をかせぐからです。

  (きすみふぁみりー)