●桜色の福
  先週、中国地方でも桜の開花宣言が発表されました。
 
  まだ少し肌寒いですが、花見の季節です。
 
  ご家族や会社の方と行かれてみてはいかがですか。
 
  また、この季節は新たな挑戦と共に
  新年度を迎える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
  しかし、大掛かりな物を買い揃え、何か新しいことを始めても
  三日坊主で終わる可能性があります。
 
  そこで、本日は誰もが一度は始めたことがあり、
  コツコツ続ける地道の代表、貯金箱貯金について調べてみました。

  一口に貯金箱と言っても、今日では値段も大きさも多種多様ですが、
  その歴史は紀元前のヨーロッパで登場した献金箱に遡ります。
 
  と言いましても、「お金」の金ではありません。
 
  これは貨幣が登場する前から既にあったもので、
  貴金属などの小片を寄付するために教会に置かれていました。
 
  そして、時は過ぎ19世紀のイギリスで、
  世界一有名と言っても過言ではない貯金箱が誕生します。
 
  陶器製のブタの貯金箱です。
  誕生秘話は諸説ありますが、
  勘違いから誕生したというお話が最も有名です。

  当時、ヨーロッパでは置物や食器を作るために
  ピッグ(pygg)と呼ばれる粘土を使用していました。
 
  ある時、ピッグ製の貯金箱を依頼された職人は
  それをブタ(pig)と勘違いし、ブタの貯金箱を作ってしまったのです。
 
  しかし、スイスでは丸々太ったブタが裕福な農家の
  象徴であったこともあり、縁起物として流行しました。
 
  その後、アメリカでは子ブタの貯金箱(piggy bank)が
  貯金箱そのものを意味するまでに定着したということです。
 
  縁起物の貯金箱としてこれほど有名なものはありませんが、
  日本では恵比寿様や大黒様、福助や招き猫などが
  富を呼び込む象徴として親しまれています。
 
  これは外国でも同様で、金の卵を産む鶏、
  働き者の蜂、慎重な亀などがその代表です。

  アナログが姿を消す現代においても尚、こういった貯金箱は
  昔と変わらず壊れやすい陶器で造られています。
 
  貯金箱同様、お金は大切にしなければならないという
  先人の教えが脈々と受け継がれているのかもしれません。
 
  今春は桜色の福と共に貯金箱で、新年度を
  スタートさせてみては如何でしょうか。
 
  中身が丸々太った貯金箱にして頂ければ幸いです。
 
  (あるる)