●オレンジの力

  第1・四半期のGDP伸び率が前期比3.8%と
  4・四半期連続でプラス成長となり、
  前年比の伸び率では95年以来の
  高水準を記録した国…と言えば、実はタイです。
 
  同国が大規模なデモにより政情混乱に陥っていたのは、
  連日メディアで採り上げられておりますが、
  24日から首都バンコクの学校や政府機関では、
  通常業務が再開されています。
 
  また、取引を停止していた証券取引所も
  通常取引に戻っているようです。
 
  しかし、治安上の理由から夜間外出禁止令の
  延期が決まっており、
  依然として警戒が続いているのが実態です。
  そもそも問題となっているのは、
  黄色いシャツと赤いシャツの激突にあります。
 
  黄色は現政権支持派で、
  主に都市部の有力者や富裕層の支持を受け、
  赤色は反政府派で、
  主に地方の有力者や農民、貧困層に支持されています。
 
  赤色の代表者であるタクシン元首相は、
  地方農村部への財政支出を拡大してきました。
 
  そのため、農民や貧困層から圧倒的な支持を
  得ることに繋がったのです。
 
  しかし、この政策により、既得権益を脅かされると
  感じた都市部の有力者や富裕層がデモを起こしたことが、
  今日の問題にまで発展しています。

  タイにはそれぞれの人が生まれた曜日ごとの
  ラッキーカラーがあり、その色のモノを身に付けていると
  幸福が来ると信じられています。
 
  月曜は黄、火曜はピンク、水曜日は緑、木曜日はオレンジ、
  金曜日は青、土曜日は紫、日曜日は赤となっています。
  タイの国民から敬愛されているプミポン国王が
  月曜日生まれということから、
  国王に対する敬愛を示すために、
  現政権派は黄色のシャツを着ています。
 
  しかし、タクシン元首相を支持している赤色は
  日曜日からきているのではありません。
 
  赤はタイの国旗にも使われており、
  いわば国を象徴する色という意味から、
  赤色のシャツを着ているようです。

  冒頭に述べたように、先週、タイ政府から発表された
  GDP数値は、前年同期比で12.0%と
  大幅な伸びを記録しています。
 
  そして、第2・四半期の伸び率についても、
  政情不安に関わらず、輸出が堅調なことから、
  前期比でプラスになる可能性が高いとの見方が示されました。
 
  タイのゴーン財務相は、反政府デモによる混乱で、
  これまでGDPが0.3─0.5%ポイント押し下げられた、
  との見解を示しましたが、政情不安が落ち着けば、
  タイは非常に魅力ある国であると改めて感じます。
 
  東南アジアの大国であり、
  ポストBRICsの有力候補の一つにも挙げられるタイですが、
  黄色と赤が一つに交わりオレンジとなった時、
  ポストBRICsは現実のものとなるのではないでしょうか。
 
  (あるる)