●いいキカイ

  8月6日の原爆の日、広島で平和記念式典が行われましたが、
  テレビ中継やニュースなどでご覧になられた方も多いと思います。
 
  その数日前、67回の核実験が行われたビキニ環礁が世界遺産に登録され、
  核の脅威を示す負の遺産として、原爆ドームと同じく、
  後世に伝えていくべきものとなりました。
 
  また、それと同時期に機械遺産というものの
  発表があったことをご存知でしょうか。
 
  聞き慣れない言葉ではあると思いますが、既に43個も存在しています。

  まず、この機械遺産とは日本機械学会が2007年に
  創立110周年を迎えた記念事業の一環として始めたものです。
 
  日本国内の機械の中でも社会発展に貢献したもの、
  現存していて実際に動くものなどが認定の基準となっています。
 
  認定後は、企業などが所有できなくなった場合に
  国立科学館などへ移管の仲介を行い、遺産の処分や散逸を防ぎます。
 
  そして、認定されるものは機械や建造物だけではなく、
  機械に関する書類も含まれており、1
  0年間で100点ほどを認定する予定とのことです。

  世界遺産は旅をして自分の目で見ることができますが、
  機械遺産の場合、認定されている物の多くは
  特殊な機械やエンジンであり、普段私たちが生活の中で
  直接目にすることが少ないものです。
 
  しかしながら、今年選ばれた6点の機械遺産の中に、
  実際に体感できる遺産があります。
 
  それは、東京の遊園地「としまえん」にある
  回転木馬「カルーセル・エルドラド」です。
 
  1907年にドイツで製作され欧州各地を巡業、
  その後ニューヨークの遊園地に移され、
  閉園によって解体されます。
 
  それが1971年にとしまえんに移され、現在も現役を続けています。

  世界遺産に比べるとマイナーで、その凄さが一般には分かりづらい
  機械遺産ではありますが、機械遺産が今の便利な世の中を築き、
  支えてくれた縁の下の力持ち達であるということは確かです。
 
  その意味では世界遺産に勝るとも劣らない価値を感じます。
 
  機械遺産の認定が、ものづくり大国日本の礎とも言える
  機械、技術を改めて知るいい機会になることを期待しています。
 
  世界遺産をめぐる旅もさることながら、国内に点在している
  機械遺産めぐりの旅もまた一考ではないでしょうか。
 
  (あるる)