●円が高いうちに

  京都府京田辺市で39.9度を記録し、9月の国内最高記録を10年ぶりに更新しました。
 
  今年は記録的な猛暑となり、気温が9月に入っても高止まりしていますが、
  為替も6月下旬に90円を抜いてから、1ドル=80円台と高値が続いています。
 
  猛暑で気温高は、エアコンの売り上げが伸びたり、ビールの消費量が増えたりと、
  少なからず景気にプラスとなりますが、
  デフレで円高は、日本経済を停滞させる要因となっています。

  民主党の代表選が1週間後の14日にありますが、菅、小沢両候補とも円高は良くない、
  介入も辞さないと共通の認識を示しています。
 
  為替介入の報道を見ていますと、政府・日銀による市場介入という表現を目にしますが、
  これは誤りです。
 
  為替市場への介入は財務大臣が判断して財務官に介入を命令します。
 
  円高を止める介入ならば円売り・ドル買い介入となりますが、
  命令を受けた財務官が日銀に介入額の規模や値段の指示を出して、
  日銀がそれに従い、邦銀に発注します。
 
  これが為替市場介入の流れで、日銀には決定権がないので、
  政府・財務省による介入という表現が正確と言えます。

  為替市場への介入ですが、過去、欧州の国々はよほどのことがないと実施せず、
  米国は介入に否定的です。
 
  一方、わが国は介入が多い国ですが、米国のルービン元財務長官は回顧録に
  「日本の要人たちは株でも為替でも国が動かせると信じきっている」と呆れて書いています。
 
  以前、ミスター円こと当時の榊原財務官は、欧州に協調介入を申し込んだところ、
  きっちりと断られたこともあり、諸外国は日本の介入姿勢に批判的と言えます。

  円高が進めば円売り介入が実施され、円高が是正されると思います。
 
  しかし、将来的に危険なのは円安だと思います。
 
  ロシアの輸出停止で高騰している穀物ですが、シカゴ市場のコーン価格は
  年初415セント→先週末467セントまで1.125倍に上昇していますが、
  国内は円高によりトン当たり200円程度の値上がりです。
 
  もし為替の円高がなければ、国内価格は3000円近い上昇となっていたところです。

  わが国にとって、円安は物価高、輸入インフレをもたらします。
 
  円が1995年の史上最高値79円75銭から反転して円安が進んだ際、
  ミスター円は、120円台で円安を止めようと、ドル売り・円買い介入を実施しました。
 
  しかし効果はなく、98年8月の147円まで一気に円安は進み、介入資金は市場に飲み込まれました。
 
  為替は都合よく自在に操作できません。今は円高を利用して海外から安く買い、
  将来に備えて買いだめする、これが得策ではないでしょうか。
 
  (あるる)