●変化するお祭

  「Treak or Treat」(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ)
  と言いながらお化けや魔女に仮装した子ども達が家庭を回るイベント、
  ハロウィンですが、最近日本でも定着しつつあるようです。
 
  ただ、東京ディズニーランドで秋のイベントになったり、
  製菓メーカーがハロウィン限定のお菓子を発売したりと、
  行事そのものを行うのではなく、ハロウィンというお祭りから派生した
  イベントとしての定着となっています。

  ハロウィンのお祭りが始まったのはアイルランドです。
 
  1年の終わりや夏の終わりが10月31日で、
  この夜は死者の霊や魔女が出てくると信じられていました。
 
  この死者の霊や魔女を追い払うために仮面を被ったり、
  恐い格好をして、悪霊を追い払おうとしていたようです。
 
  このアイルランドのお祭りが海外に伝播したのは、伝染病によります。
 
  19世紀、アイルランドで植物の伝染病でジャガイモが不作になり、
  飢饉が起こりました。
 
  その際、職を求めて世界中に100万人以上の人が移住をし、
  その内のアメリカに移住した人々がハロウィンを広めたそうです。

  ハロウィンと言えば、カボチャのお化けを想像されると思いますが、
  これは本家のアイルランドが発祥ではありません。
 
  アイルランドには、悪魔との知恵比べに勝って
  魂を取られずに済んだジャックが、死後は天国にも地獄にも行けずに
  カブをくり抜いて作った提灯を下げて彷徨い続けたという昔話があります。
 
  また、アメリカにはカボチャをくり貫いて収穫を祝うという習慣があります。
 
  その2つの事柄がくっついてハロウィンにカボチャのお化け
  (ジャックオーランタン)がシンボルのように使われるようになったそうです。

  日本でハロウィンは、子供用の英語教材や映画『E・T』をきっかけに
  知られるようになりました。
 
  アイルランドのお隣のイギリスでは元々ガイ・フォークスディ
  (イギリスの火薬陰謀事件の首謀者に由来する11月4日の記念日)
  が浸透しており、現在はハロウィンと混ざって仮装した子ども達が
  「ガイのために小銭を下さい」と近所を回るそうです。
 
  このように、土地を変え時代を変え、ひとつの国の文化が
  別の国の文化と混ざり、受け入れられていきます。
 
  来年、再来年と日本でのハロウィンも、より和風に変化するかもしれません。
 
  (あるる)