●カレーなる三つ葉

  緑の三つ葉がかわいらしい「フェヌグリーク」という野菜をご存知でしょうか。
  フェヌグリークを知らない人でも、その匂いを嗅げば
  何の料理に使われるか答えられると思います。
 
  というのも、フェヌグリークはカレーの主原料として使われている香辛料で、
  カレーの匂いの基になっている植物なのです。
 
  フェヌグリークは、太古から薬や香辛料として利用されており、
  古代エジプトの墓からも発見されている程、歴史のある植物です。
 
  主に、地中海地方、中近東やインド、アフリカなどで栽培されており、
  宗教上、肉類を口にしない人々にとって貴重な栄養源になっています。
 
  インドなどの地域では野菜として日常的に食されていましたが、
  日本では香辛料やサプリメントとして使うために、
  種子を粉状にしたものが輸入されていました。

  しかし、フェヌグリークのほろ苦い味が日本人の口に合うとのことで、
  近年日本でも栽培されるようになりました。
 
  日本に取り入れられたフェヌグリークはインドでの「メティ」
  という呼び名から「ミティー」と呼ばれています。
 
  ミティーは、マグネシウム、鉄、亜鉛など20種類以上のミネラル、
  ビタミンA、カロテンなどを豊富に含んでおり、栄養価が抜群です。

  ミティーにはガラクトマンナンという成分が含まれています。
 
  この成分は、糖質が腸で吸収されるのを防ぎ、血糖値の上昇を抑えてくれたり、
  肝臓のコレステロールの生成を抑えてくれます。
 
  また、ガラクトマンナンは食物繊維の一種なので、
  整腸作用や便秘解消にも効果的です。
 
  更に、血行促進や血管内の脂肪を取り除いたり、善玉コレステロールを
  増加させるサポニンも含まれており、メタボリック症候群にも効果的です。

  ミティーはもともとカレーの主原料になるので、ごはんにはぴったりの野菜です。
  注意して頂きたいのは、味ではなくて香りがカレーであるということです。
 
  クセがないのでどんな料理にも合いますが、
  ほろ苦い味が苦手な方は加熱する事がお勧めです。
 
  愛らしい三つ葉でカレーの匂いのする珍しい野菜を
  ぜひ食されてみてはいかがでしょうか。
 
  (あるる)