●両者の想い

  厚生労働省によると、大卒者の就職内定率は「就職氷河期」といわれた
  平成12年度の91.1%を底に、20年度には96.9%まで回復しました。
 
  しかし、それ以降は下落が続き、22年度には91.8%と12年度並みとなっています。
 
  そして、23年度はさらに悪化すると見込まれ、
  現在の就職戦線は「超氷河期」に突入しようとしています。
 
  本日は、そんな就職戦線の実態に迫ります。
 
  まず、「就職活動をしている学生」と「採用する企業」の両者の想いについて調べてみました。

  近年の景気不安や将来への先行き不透明感から、
  安定した収入と生活が永続的に送れることを期待する学生が増加し、
  大企業志向が強くなっています。
 
  実際に、北海道において過去3年間の採用予定数の充足状況を調査した、
  北海道二十一世紀総合研究所のデータによりますと、
  従業員20人未満の企業では38.1%、20~30人未満では55.6%であるのに対して、
  100人以上の企業では82.1%の充足状況となっています。
 
  新卒者を必要としている中小企業と、
  大企業志向の学生の間では需給バランスが崩れてしまっています。

  そんな中、大企業側としては安定志向の草食系日本人学生より、
  キャリアアップなど上昇志向が強い肉食系外国人留学生を
  採用したいという企業が増えているようです。
 
  この事態に、政府も昨年8月に「新卒者雇用・特命チーム」を設置し、
  新卒者を体験雇用として採用した企業に最大16万円を助成する事業を始めました。
 
  また、体験雇用者を正規採用した場合、奨励金を上積みすることも決めました。
 
  しかし、終身雇用が一般的な日本において
  十数万円の助成では割に合わないという考えもあり、
  小手先ではなく、根本的な問題解決が急務となっています。

  「アスニート」という言葉をご存知でしょうか。
 
  日本では国からの援助が少ないため、
  五輪代表選手でさえ企業に所属してサポートを受けないと、
  生活とトレーニングを両立することは困難とされています。
 
  しかし、景気低迷の中ではアスリートを採用し、援助する企業も少なく、
  「アスリート」と「ニート」から造られた「アスニート」問題が深刻化しています。
 
  現在の就職戦線は非常に厳しい状況です。
 
  先週、「就活」の帰りにバスを横転させる事件が起こり、
  東京マラソンでは実業団に所属しない市民ランナーが快挙を為し遂げ、
  若者が抱える深刻な負と、負の克服を見た感があります。
 
  これらは特殊な二例ではありますが、ある意味、現状を凝縮した事例に思えます。
 
  早急に両者の想いをすり寄せる必要を感じます。
 
  (あるる)