桜の品種は300種以上日本は桜(サクラ)の宝庫

 
  日本には非常に多くの桜の品種があります。
 
  その数は300~400種以上。世界各国にある桜の品種のうち、
  日本にない桜はないと言われるほどです。
 
  日本は桜の宝庫で種類を問わず日本の風景に溶けこんでいます。
 
  日本の春の象徴は「桜」、また「旅立ち」の象徴として
  学校や大きな駅の近くの公園などに植えられています。
 
  今回は、日本の春の象徴である「桜」を取り上げてみます。
 
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サクラは、何故こんなにも品種が多いのか

  日本には、もともとヤマザクラやオオシマザクラ、エドヒガンなど
  数品種しかなかったと言われています。
 
  日本で桜の品種が多くなったのは、
  古くから日本人がいろいろな掛けあわせをしたからです。
 
  例えば、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの
  交配により生まれたものです。
 
  また日本人は昔からサクラを愛し、山で珍しいサクラを見かけると、
  持ち帰って栽培したようです。
 
  さらにサクラは異なる品種を掛けあわせることができる性質も、
  サクラの品種の増大に拍車がかかりました。
 
  このように日本人はサクラの性質を利用して、
  さまざまな品種を誕生させてきたのです。
 
  言わば無名の育種家たちの趣味・興味の成果なのです。
 
  その意味では、サクラは「日本の文化の象徴」とも言えるでしょう。
 

ソメイヨシノも森林と同じように人の手が必要

  ところで、サクラと言えば「ソメイヨシノ」を指すことが一般的なくらい、
  ソメイヨシノは多く植えられています。
 
  そのルーツは、江戸の植木屋さんが、
  交配により育てたたった1本のサクラでした。
 
  サクラには「自家不和合性」という性質があり、
  ソメイヨシノどうしでは交配できません。
 
  また、他のサクラと交配した場合、他のサクラの遺伝子が入ってくるため、
  ソメイヨシノのような優れた形質は受け継ぐことはできないのです。
 
  つまり、ソメイヨシノでなくなってしまうわけです。
 
  そのため、ソメイヨシノは、人の手を介した
  接木や挿し木などで増やす方法以外にはありません。
 
  「人との共存を選んだサクラ」と言えるかも知れません。
 
  接木や挿し木などで育てると遺伝子が同じ、言わば「クローン」になります。
 
  そして、遺伝子が同じなら、環境条件が整えば一斉に咲くことになります。
 
  そのおかげで、私たちは満開のサクラが一斉に咲き乱れる
  美しい景色を見ることができるのです。
 
 
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美しさとはうらはら「サクラの強烈な殺虫作用」

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出典:財団法人 日本木材総合情報センター
「木がつくる住環境(芳香物質編)」
 
  植物の精油は、昆虫などの外敵から身を守るために
  殺虫・防虫作用があることが知られています。
 
  スギの葉を蒸した蚊とり線香、
  クスノキから得られる樟脳などがその例です。
 
  上のグラフはダニに対してどれだけの効果が
  あるのかを調べた実験結果の一部です。
 
  なかでもクマリンがとても強い効果があることがわかります。
 
  このクマリンは、桜の幹や枝、根などに多く含まれ、
  葉から放出されます。
 
  するとサクラを食害する虫や菌類などから
  身を守ることができます。
 
  ときには周辺の植物をも枯らして、
  自らの栄養分を確保するとも言われています。
 
  但し、人間には無害で、
  例えば、オオシマサクラの葉は桜餅に使われており、
  お餅の鮮度を保っています。
 

桜の開花で日本を元気に…

  サクラは日本の春の象徴、文化や旅立ちの象徴であるとともに、
  地名や人名、会社名、学校名や校章などに使われ、
  日本人の心の奥深くまで、溶けこんでいます。
 
  家族や友達と桜をバックに写真を撮ったなど、
  皆さんもそれぞれの胸に思い出があるのではないでしょうか。
 
  今年の桜は九州や四国では、すでに開花しているようですが、
  本州のほとんどの地域では、少々遅れての開花が予想されています。
 
  今の日本は、先日の大震災で大変な時を迎えていますが、
  日本人の心を桜が明るくしてくれるといいですね。
 
  (木づかい友の会通信)