●Mの両側

  「でこまる」「しごなな」「しろくに」…、これらはあるものの愛称です。
 
  一体何の愛称でしょう。
 
  240年前、1771年4月13日にイギリスで生まれた
  リチャード・トレビシック氏が発明しました。
 
  日本では1872年、新橋~横浜間(29km)を53分で結んだのが始まりで、
  その後の日本の発展にも多大な影響を与えることとなりました。
 
  愛称のひとつ「でごいち」は余りにも有名です。
 
  もうお分かりでしょうか。
 
  正解はSL(Steam Locomotive)=蒸気機関車です。

  現在は主要幹線においてディーゼル車や電車が一般的であり、
  動いているSLを目にする機会は日常、まずありません。
 
  ただ、一部の線路で運行していたり、
  公園などで展示されたりしているところは意外とあります。
 
  実物を目の前にされた方は皆さん感じられると思うのですが、
  石炭を燃やして水を沸騰させ、その蒸気でピストンを動かして
  走るということは分かっていても、あれだけ大きな黒い鉄の塊が
  蒸気で動くと思うとびっくりしてしまいます。

  さて、冒頭で述べた4つの愛称に関してちょっとした豆知識をご紹介します。
 
  1928年以降日本のSLの形はアルファベットと数字で表され、
  4つの愛称はそれぞれ「D50」「C57」「C62」そして「D51」を表しています。
 
  この先頭にあるアルファベットはピストンから動力が伝わる
  動輪の車軸本数に対応しており、
  車軸が2本ならB、3本ならC、4本ならD…と続きます。
 
  旅客用では高速性能を重視して直径の大きな動輪を使うため、
  車軸の数は少なくなります。
 
  対して貨物用や山間地用では牽引力を重視して直径の小さな動輪を使うため、
  車軸の数が多くなるというのが一般的です。

  近代国産SLの先駆けで土壇場で頼りになると評判だった「でこまる」、
  高速安定性が高く数々の優等列車を牽引した「しろくに」、
  細身で流れるようなラインから「貴婦人」の異名を持つ「しごなな」、
  全国に1000両超、ベストセラーのまさに千両役者「でごいち」。
  皆様の近くにあるのは一体どんな形でしょう。
 
  天気の良いこの季節にゆっくりSLを眺めるというのも、おつですね。
 
  (あるる)
 
  ちなみに、常盤公園に展示されているのは、
  D51、「でこいち」です。