●日本の金利はいつ上がるのか

  今月6日、中国人民銀行は再利上げに踏み切り、
  翌7日には欧州中央銀行(ECB)が3年ぶりの利上げを行いました。
 
  リーマン・ショック以降、先進国を中心に利下げと大量の資金供給が行われてきましたが、
  その流れに変化が出てきたようです。
 
  過去に類を見ない資金供給で国内に資金が流入しインフレ懸念が高まる国では、
  どうにかしてその過剰流動性を回収せねばなりません。
 
  さもなければ物価がどんどん上がり、バブル経済やハイパーインフレを招きかねないのです。
 
  それを防ぐ手段が「利上げ」です。

  一般に、金利が高くなると、預金のメリットが高まり、
  融資を受けて事業に投資するリスクが高くなるので、投資は減ります。
 
  ファンドや機関投資家など、巨額の資金の運用者は金利の高い通貨を保有する
  (=買われる)ため、通貨の価値は上がり、輸出が減り輸入が増える傾向となります。
 
  中国やヨーロッパで行われる利上げには、
  市場に溢れたマネー(過剰流動性)を銀行に戻す効果が期待されるのです。
 
  簡単に言うとおカネにおもりをつけ動かしにくくしているわけです。
 
  反対に金利が低ければ、先ほどとは逆に預金が減り、投資が増え、通貨の価値は下がり、
  輸出が増え輸入が減る傾向になります。

  ここで日本について見てみましょう。
 
  日本銀行の現在の政策金利は0~0.1%、いわゆるゼロ金利です。
 
  おカネのおもりを外し、動かし易くすることで、景気を好転させるのが狙いです。
 
  2010年10月5日に日本銀行が決定した追加金融緩和策では、
  ①政策金利を0~0.1%に引き下げ、
  ②消費者物価指数上昇率が前年比0~2%で、
   中心値が1%程度と見通せるまでゼロ金利を継続、
  ③国債や上場投資信託、不動産投資信託などを5兆円買い入れる枠を含めた
   総額35兆円の基金の創設、の3つを推し進めることがまとめられました。
 
  このうち金利について述べている①と②について、
  総務省が3月25日に発表した2月の全国消費者物価指数(2005年=100)は、
  価格変動の大きい生鮮食品を除く総合で98.9となり、
  前年同月比-0.3%となりました。
 
  マイナスは24カ月連続で、ゼロ金利解除の目標である中心値1%どころか、
  プラス圏にすら到達できていません。

  事実を検証すると、日本の利上げの条件は当面揃いそうにありません。
 
  しかしながら、世界では確実にインフレが進行し利上げが実施され始めています。
 
  そうなると金利差から円は安くなります。
 
  国内は超がつくほどの低金利見通し、そして世界的なインフレ懸念、
  円安進行の可能性、その全てに対処できるのは金だけです。
 
  こうした経済情勢の下で金投資を考えられる方が増え始めたのは
  当然のことなのかもしれません。
 
  (あるる)