●日本の存在感は?

  「IMF(国際通貨基金)」、その名前のとおり、
  国際金融の世界で重要な役割を担う機関です。
 
  しかし、そのIMFトップであるストロスカーン前専務理事が
  スキャンダルで辞任となりました。
 
  そして現在、その後任選びが注目されていますが、
  1945年のIMF発足以来、初めて裏交渉抜きの選挙戦となる
  可能性があることから、様々な憶測が飛び交っています。

  そもそもIMFの業務は、為替の安定をはかり、
  金融面での国際協力や貿易の拡大を促進、融資によって
  加盟国の国際収支不均衡を是正することなどです。
 
  それらは24名の理事で構成される理事会によって決定されますが、
  問題はその意思決定権が欧米に偏りすぎている点にありました。
 
  現在、欧州で35.6%、米国は20.93%、
  アジア・太平洋地域が20.93%となっています。
 
  専務理事は過半数を超える決定権を持つ欧州と米国にとって、
  都合の良い人が選ばれる仕組みと言えます。
 
  また、「IMFのトップは欧州から、
  姉妹機関である世界銀行のトップは米国から」
  とする暗黙のルールもあり、
  IMFトップの座は一貫して欧州勢が占めてきました。

  しかし、今回は従来の慣例通りに欧州から選ばれるのか、
  それとも、透明性のある手順を導入して選出されるのか、
  どちらが採られるか注目を集めています。
 
  特に、発言力を増してきている「G20」に名を連ねる
  新興国のリーダーたちは、IMFや世界銀行のトップは
  候補者の能力本位で選び、出身国は考慮しないと宣言しています。
  現時点において、欧米サイドでは
  フランスのラガルド財務相の支持で固まっているようです。
 
  しかし、同じフランス人であるストロスカーン前専務理事の
  スキャンダルや、世界各国からの出資金を欧州出身者が
  欧州財政危機のために使用することに対する反発もあります。
 
  IMFは各国が合意できる人間を探したいとして、
  候補者の指名権を24の理事国だけでなく、
  今回は187の全加盟国に認めており、
  6月末までに次期専務理事を選出すると発表しています。
 
  ちなみに、新興国でも少なくとも7名の有力候補がいるそうです。

  世界経済が混沌としているだけに優れた人材の選出が早急に望まれます。
 
  しかし、残念ながらそこに日本からの候補者はいません。
 
  IMFへの出資比率は米国に次ぐ第2位なのですが、
  日本に優秀な人材がいないのか、それとも日本に自主性はなく、
  暗黙の了解のうちに欧米サイドに取り込まれているのか。
 
  どちらにしましても、国際社会で存在感に欠けるのが我が国の現状です。
 
  (あるる)