●初キスのお味は・・・

  中四国、九州地方は、魚が美味しい地域だと思います。
 
  瀬戸内海を囲み、北側には日本海、南側には太平洋と、
  釣りをする方、船に乗られる方にとっては、
  とても恵まれた環境といえるのではないでしょうか。
 
  ただ、海のレジャーは梅雨時期には雨に降られ、
  楽しめないこともあります。
 
  梅雨が明けると海のレジャーは真っ盛りとなりますが、
  その時期に旬を迎える魚がいます。
 
  砂浜や防波堤からの投げ釣りで手軽に釣れ、
  ブルブルというアタリを楽しめ、
  そして食べて美味しい、「鱚(キス)」です。

  キスはキス科に分類される魚の総称です。
 
  昔から夏の風物詩とされ、日本近海を含む
  西太平洋とインド洋に分布し、見た目の美しさから
  「海の鮎」、「砂丘の女王」などと呼ばれます。
 
  キスには30種類ほどの種類がありますが、
  日本でキスと言えばシロギスを指すことが多く、
  その特徴は大きいもので30センチほど、
  細長い姿をした淡白で癖のない魚です。
 
  名前の由来は淡白な味から「潔し→キス」や、
  臆病なためすぐに一つに群れる習性から
  「帰す→キス」などの諸説があります。

  キスは良質なタンパク源とされ、脂質は少なく、
  ミネラル類では特にカルシウムが豊富で、
  亜鉛やカリウムも摂取できます。
 
  脂質が少なく低カロリー、カルシウムが骨や歯を丈夫にし、
  精神を安定させる効果も期待できるそうです。
 
  また、亜鉛が味覚障害や皮膚炎を予防し、
  カリウムが体内のナトリウムを調整することで
  高血圧の予防にもなるようです。
 
  購入時に選ぶ基準は、身がよく締まり、透明感があること、
  鱗がたくさん付いていて、目が澄んでいるものが良いとされます。
 
  定番の調理方法としては、天ぷらやフライ、
  新鮮なものであればお刺身、他にも南蛮漬けや甘露煮なども
  おすすめです。

  季節を問わず全国各地で食べられるキスですが、
  6月から9月にかけてが、産卵を迎えて餌をたくさん食べているため、
  もっとも美味しい旬となります。
 
  味が良く、栄養も豊富なキスを食べると、
  漢字が示すように喜べるかもしれません。
  (あるる)