●海のもしも

  昔から海辺に打ち寄せる波やしぶきを浴びると
  自律神経を調整する作用があると言われてきました。
 
  また、マイナスイオンが豊富な潮の香りには、皮膚に張りや潤いを与え、
  血行を促進する効果があるようです。
 
  実際、明治時代において、海水浴は「潮湯治」と呼ばれ、近代的医学療法でした。
 
  今日ではレジャーとして楽しまれる方が多いと思いますが、
  海水浴人口が増えるとどうしても増えてしまうのが水難事故です。
  今日は楽しく海水浴が出来るよう、水難事故の対応について取り上げてみました。

  まず、水難事故は一刻を争うため、助ける側、助けられる側、
  通報する側の三者共に初動対応が重要になってきます。
 
  もし、目の前で子供が溺れていた場合、
  すぐに飛び込んで助けてあげたいと思われるでしょう。
 
  しかし、どんなに泳ぎが得意な人であっても、着衣のままであったり、
  溺れてパニックになっている人を連れて泳ぐのは大変なことです。
 
  二重事故を防ぐためにも、まずは近くに居る人に助けを求めることが大切です。

  また、水難事故で救助に向かうレスキュー隊員が望むのは
  「とにかく浮いていること」です。
 
  溺れた時にはサバイバルフローティングが大切になってきます。
 
  サバイバルフローティングとは着衣泳のことですが、
  自分自身や周囲の物の浮力を活用して
  「浮いて救助を待つ」ことと定義されています。
 
  方法は、自分の胸にペットボトルなど浮力のあるものを抱えて、
  ラッコのように背浮きで長時間浮くだけです。
 
  自分自身で長時間浮いて待つことができれば、救助される確率は必然的に高まります。

  そして、水難事故の場合、通報先は「118」番です。
 
  118番は海上保安本部に繋がる電話番号ですが、
  公衆電話、携帯電話、PHS、船舶電話などからも利用可能です。
 
  しかし、2000年から運用が始まっているにも関わらず、
  110番や119番よりも知名度が低く、この10年余りの通報件数のうち、
  99.3%は間違い電話やいたずら電話となっているようです。
 
  最後になりますが、お酒を飲んで海に入らない、遊泳禁止区域では泳がない…など、
  まずは水難事故を起こさないよう注意すること一番です。
 
  しかし、万一起きたとしても被害を最小限にするには、各自の備えや心構えが大切です。
 
  海水浴も危険と隣り合わせであることを認識し、
  楽しい海水浴シーズンを過ごすことを願っています。
 
  (あるる)