●大人の社会見学~紙工場~

  紙・パルプ生産量において、日本はアメリカ、中国に次ぐ
  世界第三位となっています。
 
  紙の原料はパルプですが、パルプには木材を原料としたものと、
  古紙を原料としたものとがあります。
 
  パルプとはセルロース繊維の塊で、これを水で分散させて薄く
  均一なシート状にすることで原紙が出来上がり、
  この原紙を用途に合わせて表面加工することによって
  紙製品が仕上がります。
 
  ちなみに、日本の古紙の回収率は78.3%、
  そして紙の62.5%が再生紙となっています(2010年現在)。

  古紙のリサイクル過程は、離解(繊維状に揉み解す)→
  除塵(異物の除去)→分散(インキや粘着物を剥がす)→
  漂白→脱インキ→洗浄・脱水となります。
 
  こうした過程を経て再生紙が作られるのですが、
  回収した古紙に異物が混入しているとリサイクルが困難になります。
 
  混入すると困る異物として、粘着物のついた封筒・写真・
  防水加工紙・感熱紙(FAX用紙)・裏カーボン紙、
  紙以外では、粘着テープ類・金属クリップ・フィルム類、
  発泡スチロールなどが挙げられます。
 
  古紙を回収に出す際はしっかりと分別する必要があります。

  話は脱線しますが、紙を作る工程から、買う気が無いのに
  売り物を見たりする「ひやかし」という言葉が誕生したようです。
 
  江戸時代になると紙にもブランドが出来まして、京都の西洞院紙、
  浅草周辺の浅草紙、信濃の上田紙などが有名な紙でした。
 
  その中の浅草紙を漉く職人が煮溶かした原料を冷やしている間、
  近くにある吉原遊郭に行っても登楼せず、
  見て回るだけだったことから出来た言葉だそうです。

  製紙は、木材や古紙からパルプを作る工程、パルプを紙の形にする工程、
  用途に合わせて表面処理をする工程の3つに分けられます。
 
  その工程の中で、脱墨剤や漂白剤、紙力増強剤、帯電防止剤など
  たくさんの薬品と水が使われます。
 
  使用した水には原料に含まれる有機物や薬品などが混ざるため、
  循環利用出来るようにするなど、製紙会社では紙のリサイクルと共に
  水のリサイクルも実施し、環境問題に積極的に取り組んでいます。
 
  紙をムダにせず、しっかり分別して回収に出すことで、
  リサイクルの取り組みを冷やかすことにならないよう気をつけます。
 
  (あるる)