●Xデーに備えて
  昨年春から続く「ユーロ危機」、
  危機の中心はギリシャからスペインやイタリアへと移り、
  そして救済する側の立場だったドイツ、フランスさえも、
  国債が最高ランクから引き下げられる見通しとなっており、
  時間の経過と共に大国へと危機が伝染してきています。
 
  解決の道筋が見えてこないユーロ圏に対し、
  海外メディアでは欧州発の「第2のリーマン・ショック」を予測する
  レポートが増えてきています。
 
  国内では依然、「対岸の火事」的な報道が多いですが、
  レポートの中には、欧州の次は「日本」と予測するものも出てきています。

  先日、財務省は日本の債務残高が史上初の1000兆円を
  突破すると発表しましたが、対GDP比では約200%に達し、
  実質デフォルトとなったギリシャの150%よりも悪い数値となっています。
 
  IMFは近々235%に達すると予想していますが、
  国債破綻のデッドラインは250%とされており、日本国債の暴落は、
  すでにカウントダウンに入っているとの見方もあります。

  「1400兆円の個人金融資産」と「国債の国内保有比率の高さ」によって
  日本国債は安全な投資先という意見もありますが、
  それは少し楽観的すぎるようです。
 
  日本国債の95%は国内の金融機関などが保有し、
  その金額はトップの「ゆうちょ銀行」で146.5兆円、
  「メガバンク3行」で101.2兆円に上ります(今年3月末)。
 
  ちなみに、ゆうちょ銀行の預金残高は174.7兆円ですので、
  約84%が国債に姿を変え、メガバンク3行の預金も
  約40%が国債となっています。
 
  すでに個人金融資産が日本を支えている構図となっています。

  今夏、全国銀行協会会長は、日本国債の問題について
  早急に対応を取る必要性を訴えましたが、
  これは外国報道機関によるインタビューだったため、
  日本のメディアには取り上げられませんでした。
 
  全銀協会長が国債のリスクを表明したのは、政府に対する警告です。
 
  警告を受けた政府財務省ですが、先週、3年保有すると残高に応じて
  金貨・銀貨がもらえる特典付き国債を発表するなど、
  警告を無視して国民に売りつけようとしています。
 
  今回の新国債、紙切れになってもオマケの金貨・銀貨は残りますよ、
  ということでしょうか。
 
  欧州の次の危機が日本にならないことを願いたいのですが、
  刻々と近づくXデーに備え、資産対策を講ずる必要がありそうです。
 
  (あるる)