●残された道

  2012年、気づけばもう1ヶ月が過ぎようとしていますが、
  なかなか世界経済に明るい兆しが見えません。
 
  リーマン・ショック以降、アメリカは量的緩和政策を推し進めており、
  世界に流通するドルの量はショック前のおよそ3倍になっています。
 
  ギリシャ問題を抱えるヨーロッパでも、
  問題は南欧諸国からユーロ圏全体に及び始めており、
  先日ユーロ圏国債の一斉格下げが行われました。
 
  これらがドル安・ユーロ安を招く一因となり、
  相対的に安全とされる円に資金が流入しやすい傾向が見られます。

  輸出産業が円高によって奮わず、
  2011年の貿易収支は31年ぶりの赤字となりました。
 
  更に円の供給量も増加していないことからデフレが続いており、
  経済の指標とも言える日経平均株価は3週連続で上昇したものの、
  まだ安値圏にあります。
 
  主に高齢化による社会保障費の増加や不況による税収減により、
  この20年間で増加した公債は約500兆円、
  国と地方の総債務残高1000兆円超、
  対GDP比200%を突破した日本が、円高を解消し株価を回復させ、
  債務を減らすためにどうすればよいのでしょうか。

  まず1つの方法が「インフレ」です。
 
  通貨価値が下落し物価が上昇するインフレ下では、
  借金の価値も当然下落し、デフレ下より返済が容易になります。
 
  インフレとデフレは、通貨供給量である程度は調整可能です。
 
  現在よりも円の供給量を増やし通貨価値を下げてインフレに誘導すれば、
  円高と株価低迷を一気に解消可能です。
 
  そして、インフレ誘導によって景気を浮揚させた後、「増税」を実施します。
 
  税収のおよそ4分の1を占める消費税が未だに税率5%など、
  増税余地はあります。財政再建が行き詰まり、
  背に腹はかえられないの論調のもと、
  数年内にこの2つの方法が試されると思います。

  国家破綻でハイパーインフレ、
  という最悪のシナリオを望む国民はいないはずです。
 
  そのシナリオを避けると、「インフレ」と「増税」の道しか残りません。
 
  インフレは借金の価値を下げますが、同時に資産の価値も下げますので、
  円高で有利な今のうちから準備をしておいたほうが良いと思います。
 
  今年の干支である龍にあやかって日本も天を目指し、
  2012年が少しでも明るい年になってくれることを願っています。
 
  (あるる)