●ヒトガタへの想い

  週末に「ひな祭り」を控え、家にひな人形を飾られている方も
  多いのではないでしょうか。
 
  ここ10年程の傾向として、ひな人形を選ぶのが
  祖父母から母親になった(スポンサーは祖父母のまま)ことで、
  豪華さよりも、小さくて可愛いひな人形を飾る方が増えているようです。
 
  そんな、ひな祭りに欠かせないひな人形ですが、
  皆様はひな人形の由来をご存知でしょうか。

  古来より日本では、
  陰陽師・神主の祓いの道具として人形がありました。
 
  人形は「ヒトガタ」と読み、
  人間の身代わりをしてくれるという意味を持ちます。
 
  病気や厄災はもちろんのこと、穀物の害虫除け、
  子授けや安産の祈りを託すものなど、
  人の厄払いにヒトガタが重要な役割を果たしていました。
 
  また、殉死の風習が無くなったのも、
  代わりにヒトガタが使われたためと言われています。
 
  そして、源氏物語が書かれた平安時代には、
  すでに人形は女の子の遊びの一つとなり、
  初めは、紙を人の形に切り抜いた紙人形も、
  土製、焼き物、布の衣装を着せたものと、
  次第に進化していったようです。

  江戸時代になると、幕府によって上巳の節句(3月3日)が
  五節句の一つとして定められ、女の子の節句になりました。
 
  そして、娘の厄を受けてくれるひな人形は、
  その家の財力の象徴として華やかさを増していきます。
 
  この頃から豪華なひな人形を飾るようになり、
  自慢のひな人形を見せ合う「ひな合わせ」や、
  ご馳走を持って親戚を訪ねる「ひなの使い」などが流行します。
 
  そして、美しいひな人形を持って「ひな祭り」をすることが
  人々の憧れとなったのです。
 
  ついには等身大のひな人形まで登場したようですが、
  贅沢を警戒する幕府によって人形の大きさは
  約24センチに制限されたそうです。

  豪華なひな人形からコンパクトなひな人形に移りゆく現在。
 
  人形は変わっても、人形に込める想いは
  今も昔も変わらないことと思います。
 
  女の子の健やかな成長を願いながら、
  古来より私たちの身代わりとなってくれる人形にも感謝して、
  今年のひな祭りをお祝いされてみてはいかがでしょうか。
 
  (あるる)