●投資家と中国人と日本人

  「19世紀はイギリスの時代、20世紀はアメリカの時代、
  21世紀は中国の時代」と主張するジム・ロジャーズ氏。
 
  世界三大投資家と呼ばれる1942年生まれのロジャーズ氏は、
  2007年に4歳の長女に中国語を習得させるため、
  ニューヨークからシンガポールに移住、2008年には次女も誕生し、
  現在もシンガポールにて家族4人で暮らしています。
 
  「21世紀は中国の時代」、この主張が正しいか正しくないか、
  あと半世紀くらい経過しなければ答えは出ないと思います。
 
  では現時点の中国はどのような状況にあるのか、
  中国の先頭を進む富裕層のトレンドを調べてみました。

  昨年11月に公表された調査によって、
  資産1000万元(約160万ドル)以上の
  富裕層約96万人のうち60%が移住を検討中か、
  それに向けた準備を行っていることが明らかになりました。
 
  国営大手銀行などによる富裕層への調査によると、
  米国が移住希望先のトップで、2位がカナダ、シンガポール
  続いて欧州という順位でした。
 
  ではなぜ富裕層が中国を離れたいと思うのか、
  中国国営の招商銀行やマネジメントコンサルティング会社などが
  昨年実施した調査の結果、子供の教育、大気の質や食品の安全性、
  経済的安定に関する懸念が理由として挙げられています。

  世界の企業や投資家は中国という巨大市場に期待して
  投資を増やし、中国へ進出していますが、
  中国の富裕層は海外へ転出しようとしています。
 
  この転出は隣の芝生は青く見えることによる現象なのか、
  見切りを付けた転出なのかによって、
  見方は大きく変わると思います。
 
  参考までに、中国次期トップの習近平副主席の娘は
  ハーバード大学に在籍中、
  副主席の前妻は英国在住、姉妹の1人はカナダ在住とのことです。

  ロジャーズ氏は中国へ、中国の富裕層は国外へ、
  この両者の動きはともに世界の富の流れを読む指針になると思いますが、
  逆方向に向かって動いています。
 
  しかしながら、一致して同一方向に向いているものもあります。
 
  それは金の保有拡大です。
 
  ロジャーズ氏が来日した際、
  純金の仏像などを大量に購入していましたが、
  純金の工芸品は将来金の価格が高騰するので作られなくなり、
  希少性というプレミアムも付くから、
  娘たちへ遺すために買うと言っていました。
 
  また、中国の金需要は史上最高値を更新した昨年、
  前年比20%増を記録しています。
 
  ただ、昨年、日本人は手持ちの金を円に換金した人が
  大多数となっています。
 
  (あるる)