●賢い住宅
  タッチパネルでの操作はもちろん、
  様々な機能を簡単な操作で使うことができることから
  「賢い(スマート)」+「電話(フォン)」という意味を持つスマートフォン。
 
  そのサービスや利便性は進化を続け、最近では、
  英語と中国語の音声通訳機能が付いたスマートフォンも誕生しました。
 
  端末に向けて日本語を話すと、英語と中国語にそれぞれ通訳した音声を
  相手に聞かせる仕組みとなっているようです。
 
  各言語とも数万語を収録しており、
  日常会話であれば大半は通訳できる仕組みです。
 
  日に日に便利さが増しているスマートフォンですが、
  その影響は住宅の世界にも波及しています。

  近年、大手ハウスメーカーが市場に投入したのが
  「スマートフォン」ならぬ「スマートハウス」です。
 
  スマートハウスとは、ITを使って家庭内のエネルギー消費が
  最適に制御された住宅を言います。
 
  具体的には、太陽光発電や蓄電池などのエネルギー機器、
  家電、住宅機器などをコントロールすることで、
  エネルギー消費を管理することを指します。
 
  光熱費の削減はもちろんのこと、CO2の削減にも繋がり、
  社会的にも貢献できる住宅として注目を浴びています。
 
  最新の調査によると、昨年のスマートハウス関連の世界市場は
  前年比18.7%増の2兆7073億円が見込まれていますが、
  20年には11兆9431億円になると予測されているのです。

  そのスマートハウスの中核となるのが、
  ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)です。
 
  HEMSを組み合わせることで、パソコンやスマートフォンなどで、
  家庭内のエネルギー需給状況の「見える化」を図ることができ、
  画面上で一元管理することができます。
 
  実際の消費量が見えることで、節電意識の高まりも期待されています。
 
  また、現在は規格統一などの点で実現できていませんが、
  様々な家電をHEMSで制御できるようになれば、
  照明の消し忘れがあっても、スマートフォンなどで遠隔操作し、
  手軽に対処することも可能です。

  現在、原発問題における日本の電力不足は、
  とても大きな問題になっています。
 
  節電を意識していても、意外に電気の無駄は多いもので、
  それを分かりやすくしてくれるのがスマートハウスかもしれません。
 
  現時点において、まだ導入に踏み切っていないハウスメーカーもあり、
  住宅業界の中でも温度差はあるようです。
 
  しかし、今月4月19日より、HEMSを導入した住宅一戸につき
  10万円の補助金受給申請の受付が始まります。
 
  「賢い電話」だけでなく「賢い住宅」のブレイクも
  目の前に迫っているのではないでしょうか。
 
  (あるる)