●2つのゴールド

  現在、ロンドン五輪の真っ只中ですが、
  日本人選手の活躍はもちろんのこと、
  世界のスーパースターの競演に、
  寝不足の方も多いのではないでしょうか。
 
  五輪はスポーツの祭典と言われますが、
  出場選手にとってはお祭りではなく、
  国を代表する者同士の戦いと言っても過言ではありません。
 
  もちろん、出場選手は金メダルを目指して戦っているわけですが、
  実は金メダルの行方を占う上で、面白いレポートがあります。
 
  それは、先月19日に米金融大手ゴールドマン・サックス
  (GS)が発表した「五輪と経済2012」です。

  GSは各国のメダル獲得数と経済、政治状況には
  強い因果関係があると指摘し、
  独自の経済分析を基にデータを割り出しました。
 
  経済成長力や政治のほか、人口、教育、開催国、
  地理的条件などを加えて過去の大会を分析した結果、
  実際のメダル獲得数と計算結果が極めて近かったそうです。
 
  今回、GSはこのデータを基に金メダル獲得数の
  上位10カ国を予想していますが、
  1位は米国37個、2位は中国33個、3位は英国30個、
  4位はロシア25個、5位はオーストラリア15個、
  6位はフランス14個、7位はドイツ14個、8位は韓国10個、
  9位はイタリア10個、10位はウクライナ9個となっています。
 
  ちなみに、日本は11位で8個と予想されています。

  これを見ると、現在世界を牽引している
  BRICsやNEXT11などの新興国からは一部の国しか選ばれず、
  依然として先進国が上位の大半を占めています。
 
  中国は別格としても、インドやインドネシアのように
  高い経済成長力と豊富な人口を抱える国が強い
  ということにはならないようです。
 
  やはり、一流の選手が登場するには、
  それなりの環境下が有利であると言えます。
 
  このレポートについて賛否両論ありますが、
  GSはこれまでの歴史で様々な相場分析や市場予測を行い、
  世界中の顧客から信頼を勝ち得てきました。
 
  米国の金融グループの中心であり、
  世界最大級の投資銀行としての誇りが
  ロンドン五輪の金メダル予想をさせたのかもしれません。

  ロンドン五輪も残すところあと1週間となりました。
 
  まだまだ見所はたくさんありますので、
  今後行われてくる競技も楽しみです。
 
  ちなみに金メダル獲得数の途中経過ですが、
  上位5カ国を発表致します。
 
  6日現在で1位中国30個 2位米国28個 3位英国16個 
  4位韓国10個 5位フランス8個となっております。
 
  今回の予想がGSの今後の投資先を選ぶことには
  繋がらないと思いますが、
  米国を1位にしているところを見ると、
  世界一は米国だということを改めて発信している気がします。
 
  ゴールドメダルの結果と共に、ゴールドマンの予想も気になるところです。
 
  (あるる)