●富の主は天下の人々

  昨今の景気先行き懸念の中で、
  現在、堅調に業績を伸ばしているのが「テーマパーク」です。
 
  東京ディズニーランドを展開するオリエンタルランドの場合、
  今年4-9月期の連結営業利益は前年同期比約2倍の390億円と、
  同期としては過去最高となりました。
 
  また、経済産業省のデータでも、主要テーマパークの約8割が
  12年通期で前年度実績を上回ると見られています。
 
  特に、先月、累計入場者数が1億人を突破した
  ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、
  入場料の値上げによる影響が懸念されていたものの、
  業績は右肩上がりです。

  そんなUSJの好業績の裏には2つの経営戦略があり、
  1つはターゲット層の拡大です。
 
  ファミリー向けに今年3月にオープンした「ユニバーサル・ワンダーランド」や
  OLや女子大生向けの「ホラーアトラクション」がその例です。
 
  斬新なアイデアから生まれるこれらのアトラクションの集客効果は抜群です。
 
  昨秋のハロウィンでは、100体のゾンビが徘徊するアトラクションで、
  前年同月比766%増の46万人もの入場者を呼び込みました。
 
  これは人気アトラクション「スパイダーマン」の年間利用者数に相当し、
  しかも、コストは140億円掛けた「スパイダーマン」の
  100分の1程度というから驚きです。

  もう1つが「マジカル・モーメント・プロジェクト(MMP)」です。
 
  MMPはパーク内のクルー(従業員)が、
  ゲスト(来場者)と積極的にコミュニケーションを取ることで、
  アトラクション以外の時間も楽しい思い出となるように
  提案されたサービスです。
 
  実際にパーク内を見渡すと、クルーが子供にシールをあげていたり、
  キャラクターがゲストと仲良く遊んだりする光景を目にします。
 
  クルーの行動の基にあるMMPには細かいマニュアルはなく、
  あるのは常にクルー全体でゲストを満足させようとする意識です。

  この2つの経営戦略こそが、USJの業績を伸ばす原動力であり、
  他のテーマパークにも通じることだと思います。
 
  江戸中期の思想家で、石門心学の創始者として知られる石田梅岩は、
  「富の主は天下の人々なり」と説いています。
 
  つまり、お客様に喜んで頂けるお店でなければ、
  私たちの幸せ実現は出来ないということです。
 
  お客様が繰り返し足を運んでくれるお店、リピーターが増え続けてくれるお店、
  これこそが成果を出し続けるお店です。
 
  このテーマに対し、全従業員で取り組んでいるからこそ、
  今日のテーマパーク快走につながっているのだと思います。
 
  (あるる)