●安全を守る紳士

  日本の歩行者用信号機のシンボルですが、
  スーツ姿にハットをかぶった紳士のシルエットになっています。
 
  しかし、国が変われば信号機も変わり、
  「進め」のポーズひとつをとっても、
  右向きだったり、馬に跨っていたりと多種多様です。
 
  また、地元に縁のある人が描かれていることも多く、
  デンマークの歩行者用信号機はアンデルセンの杖姿となっており、
  オランダにはうさぎのキャラクターである「ミッフィー」が
  点滅する信号もあるそうです。
 
  本日はそんな歩行者用信号機についてのお話です。

  そもそも、世界で初めて信号機に
  人型があしらわれたのは1969年ですが、
  旧東ドイツの交通心理学者である「カール・ペグラウ」が考案した
  「アンペルマン」が第1号と言われています。
 
  アンペルマンは小さな男の子がモチーフとなっており、
  当時の東ドイツは交通量の急増に伴い事故が多発していたため、
  ペグラウは歩行者の注意を喚起しようと、
  子供にも分かりやすい絵文字をデザインしたのです。

  しかし、90年の東西ドイツ統一を機に、
  信号機が西ドイツ式に取り替えられたことから、
  アンペルマンは絶滅の危機に見舞われることになります。
 
  しかし、可愛らしいデザインに慣れ親しんだ市民が
  「アンペルマンを救え」という運動を起こし、
  97年に復活を遂げます。
 
  今日ではベルリン郊外はもちろん、
  ドイツの他都市でもアンペルマンの信号機が
  使われている場所があるそうです。
 
  更に、愛嬌たっぷりに交通整理をする姿が人気を呼び、
  ここ数年でアンペルマンが世界的な
  人気キャラクターになりつつあるとも言われています。
 
  実際、関連グッズを販売すると観光客が飛びつき、
  グッズは500種類を数え、
  ベルリン土産の定番となっているそうです。

  ちなみに、道路上において交通整理を行う色は、
  世界共通で赤・黄・緑の三色となっており、
  それぞれに意味が込められています。
 
  赤は一番遠くから見える(判断できる)色であることから
  一番重要な「止まれ」に使われ、
  青は心理学的に安心する色であることから
  「進んでもよい」という意味が込められています。
 
  最後に黄色は、雨や霧の中でも
  一番よく見える色であることから採用され、
  小学生の帽子や傘、レインコートが黄色なのはこのためです。
 
  普段、何気なく目にする信号機ですが、
  デザインや色にも様々な意味が込められています。
 
  今日も日本各地の交差点で、
  紳士が私たちの安全を守っています。
 
  (あるる)