●欧州機器

  近年、欧州の調理家電メーカーが日本市場で注目を集めています。
 
  例えば、仏ティファールはフライパンや圧力鍋で知られる
  調理器具メーカーでしたが、家電の世界に電気ケトルという新ジャンルを作り、
  日本でブームを起こしました。
 
  最近では、鮮やかなカラーリングが特徴の伊デロンギも
  電気ケトルやコーヒーメーカー、トースターなどを日本で販売し、
  売上げも好調に推移しています。
 
  そして、今年4月下旬、オランダの電機大手フィリップスが
  画期的な商品を持って日本に上陸します。
 
  その名は「ノンフライヤー」です。

  ノンフライヤーとは元々、「エアフライヤー」という名称で
  2010年9月に欧州で発売された製品ですが、
  なんと油を使わずに揚げ物を作ることができる代物です。
 
  2011年後半からアジア諸国にも販売を広げ、
  中国や韓国、台湾、香港などで人気を集めました。
 
  現在は世界40ヶ国で販売され、
  累計販売台数は100万台を突破したと言われています。
 
  実は、過去にフィリップスも日本市場に
  コーヒーメーカーやハンドミキサーなどの調理家電を投入していました。
 
  しかし、より利益率の高い製品群に注力するため、2009年に撤退し、
  料理に対する日本人の好みに合わせた製品開発を進めた結果、
  この度、日本市場への再参入を決めたそうです。

  では、ノンフライヤーの仕組みですが、
  本体内部で熱風を高速で循環させて食材を一気に過熱させます。
 
  すると、食材表面の水分が奪われ、食材の中の油分が浮き出し、
  その油で食材を揚げるという仕組です。
 
  その際、上下左右からムラなく熱を加えるため、
  食材をカラッと仕上げることができるそうです。
 
  ノンフライヤーを使用した場合、通常の揚げ物に比べ、
  脂肪分を最大80%もカットできるだけでなく、
  グリルやオーブンのように「焼く」という調理も可能です。
 
  また、小さな子供がいるご家庭でも
  高温の油を使うことはありませんので、
  安全に揚げ物の調理ができ、調理後のお手入れも簡単です。

  2010年に内閣府が行った「食育の現状と意識に対する調査」では、
  油を多く使った料理を週に2回以上食べると答えた人は
  全体の約65%に上り、日本人の「油好き」が伺えます。
 
  その一方で、2011年に行われた同調査では、全体のおよそ半数が
  生活習慣病の予防や改善に気を遣っていると答えており、
  健康志向も高まっています。
 
  欧州の危機はまだ継続中ですが、
  欧州の機器は日本に欠かせない存在へと進化を遂げているようです。
 
  (あるる)