●宇宙のごみ掃除

  米国や欧州、ロシアを中心に有人飛行や衛生打ち上げなど、
  宇宙研究が進化を遂げています。
 
  その結果、パソコンや携帯電話の通信速度が速まり、
  映像がより鮮明になるなど、私たちの生活を快適にしてくれました。
 
  しかし、その一方で様々な問題点も抱えており、
  その一つが「スペースデブリ」です。

  スペースデブリとは、地球の大気圏外に漂う人工物体であり、
  宇宙ゴミとも呼ばれています。
 
  例えば、耐用年数を過ぎて機能を停止した人工衛星やロケットの破片、
  宇宙飛行士が落とした手袋やネジなどもスペースデブリです。
 
  このデブリがこの数年で急激に増え、
  人類の宇宙活動にとって脅威となっています。
 
  10cm以下のデブリを含めると、
  推定で約5兆8000億個が地球の周囲を飛び交っていると言われ、
  宇宙船の活動はデブリの監視なしには困難になっているそうです。
 
  更に、デブリ同士の連鎖衝突により、その数が爆発的に増えていく
  「ケスラーシンドローム」の発生も危惧されています。

  退役したスペースシャトルに代わり、
  大型の荷物を国際宇宙ステーションへ運べる唯一の宇宙船となった
  日本宇宙船HTV「こうのとり」も、09年に打ち上げられた際、
  デブリとの衝突の危機に直面していました。
 
  特に、07年の中国の衛星破壊実験で発生した約3000個のデブリは、
  国際宇宙ステーションの軌道と交差し、
  滞在する宇宙飛行士たちを脅かしています。
 
  デブリの速さは秒速8kmと言われており、
  10cm以下の小さなデブリであっても、
  人工衛星を爆発させるほどの破壊力を持っているそうです。

  この問題を克服するため、スイスの科学者とエンジニアにより、
  デブリ掃除を行うための回収衛星「Clean Space One」
  の打ち上げが計画されています。
 
  目標のデブリ に回収衛星を接近させ、先端についている
  四方に伸びるベルトのようなものでデブリを抱え込みます。
 
  その後はデブリを抱えたまま大気圏に突入し、
  デブリごと燃え尽きる仕組みで、
  3~5年を目途に計画が進められています。
 
  もちろん、現在の技術では宇宙空間において
  衛星を自由自在に軌道変更できません。
 
  よって、予め目標のデブリと同じ軌道を狙って
  衛星を打ち上げる技術の確立が急がれています。

  膨大に飛び交うスペースデブリをどこまで減らせるのかが今後の焦点ですが、
  この計画が成功すれば、現在打ち上げられている衛星や
  有人飛行に対する障害や懸念も払拭され、
  宇宙研究がより進められるのは事実です。
 
  今後の宇宙のごみ掃除から目が離せません。
 
  (あるる)