●屋根もホワイトニング

  今年の夏は、全国各地で記録的な猛暑となっています。
 
  日本だけではなく、世界規模で猛暑となっているようで、
  郊外に比べて都市部の気温が高くなる「ヒートアイランド現象」が
  世界中で問題となっています。
 
  建物が密集し、アスファルトで道路を整備している都市部は熱を貯めやすく、
  高温となってしまうことは避けられません。
 
  このヒートアイランド現象の緩和に、
  あるユニークな方法が注目されていることをご存知でしょうか。

  その方法とは、「建物の屋根を白く塗り替えること」です。
 
  白色の反射塗料を使用した場合、
  日光を跳ね返すことで熱の吸収をカットでき、
  屋根や室内の気温上昇を抑える効果が期待されます。
 
  ニューヨークでは、この効果に注目した市長が中心となり、
  1年間で 1500 人のボランティアと 17 社の協力企業によって
  100 万平方フィート (甲子園球場のグランド=1.3万平方フィート)
  の屋根が白く塗装されました。
 
  白く反射塗装された屋根は、
  従来の暗色の屋根よりも熱の吸収率を 80%減少させ、
  屋根の表面温度を 最大で約30 度、
  室内では 5~11度下げることができたそうです。
 
  実際の経済効果は報告されていませんが、
  エアコンの設定温度を1度上げることで
  10%の消費電力の削減になると言われていますので、
  10度も室内の温度が下がれば、十分な経済効果があると考えられます。

  米国のエネルギー省長官、スティーブン博士によりますと、
  アメリカにある85パーセントの建物の屋根を白い反射塗料で塗り変えると、
  年間あたり7.53億ドルの節約が見込めるとされており、
  白い屋根は益々増えることが期待されそうです。
 
  実際にこの活動はニューヨークを越えて
  アメリカのその他の州にも伝わっており、
  カリフォルニアやフロリダ、ジョージア州では、
  新しく家を建てるときには白い反射塗料を使用することを奨励しているそうです。
 
  その他、米スーパー大手のウォールマートでは、
  4268店舗の屋根を白い反射塗料で塗り替えています。

  日本でもヒートアイランド現象は課題となっており、
  地球温暖化の原因となりにくい太陽光発電など、
  自然エネルギーを利用したエコ発電が注目されるようになりましたが、
  エネルギー体制が画期的に変化したという手応えはあったでしょうか。
 
  発電方法を工夫することも大切ですが、ニューヨークのように、
  電力を消費してしまう原因となる熱を減らす方法も模索すべきです。
 
  既存の建物を塗り替えることが難しいのであれば、思い切って、
  今後建築予定の建物の屋根には必ず白色塗料を使用することを
  各地方の条例に盛り込むのも良いのではないでしょうか。
 
  (あるる)