●読み解くヒント

  市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)にて
  量的緩和の縮小が議論されていますが、
  その時期がいつになるのかが市場では焦点になっています。
 
  年内の縮小は確実と見られていますが、2013年で開催されるFOMCは、
  9月と10月と12月。では、この3回でいつ縮小という話になるのでしょうか。
 
  その縮小の時期を判断する材料となるのが、
  FOMCの約2週間前の水曜日に発表されるベージュブックです。
 
  ベージュブック(地区連銀経済報告)とは、
  米連邦準備理事会(FRB)が発表している経済報告書のことで、
  FOMCでの議論のたたき台となるものです。
 
  ではなぜ、ベージュブックかといいますと、
  それは単に報告書の色がベージュだからです。
 
  名前は安易に付けられていますが、中身は非常に濃い内容となっています。
 
  米国を12の地区に分割し、それぞれの地区の状況をレポートする形になっており、
  一番の見所はそれぞれの地区の状況が具体的に述べられていることです。

  例えば、IT業界の動向を見るのであれば、
  サンフランシスコ地区のレポートが一番です。
 
  サンフランシスコの南にはシリコンバレーがありますので、
  この地区のレポートでIT企業の好調が示されれば、
  これからIT関連株が上昇してくる可能性が高いということです。
 
  また、逆のことも言えます。
 
  それは、その地域特有のこと以外のことが記載された場合です。
 
  サブプライムローン問題が顕在化する前の年である
  2006年11月に発表されたサンフランシスコ地区のレポートでは、
  「全体的に信用に質は高く、返済状況も順調である。
  だが、一部情報筋からは住宅建築業者に対する融資の延滞が報告されており、
  銀行がこれらの融資に対する警戒レベルを引き上げているという声もある」
  となっております。
 
  ここから読み取れることは、
  不動産関係が近いうちに危ない状況になるということです。
 
  ベージュブックを精読していれば、
  翌年に起こるサブプライムショックを予見できたと言うわけです。

  これを踏まえ、前々回と前回のベージュブックを見返して見ますと、
  米経済は「緩慢または緩やかに拡大」「控えめに拡大」など、
  まだ文章の中に弱気の言葉が見られましたので、
  FOMCでの量的緩和縮小とはならなかったように思います。
 
  そういった弱気の言葉がなくなるようであれば、
  その2週間後のFOMCでは量的緩和縮小の可能性が高い
  ということではないかと考えられるわけです。
 
  次回のベージュブックの発表は9月4日。
 
  これを精読し、9月17~18日のFOMCを予想してみてはいかがでしょうか。
 
  (あるる)