●“ジャンテロウ”の街

 「本当によい街とは、一日の間にできる限り多くのことを
  気持ちよく体験させてくれる街。
  朝、子どもを学校に送り、買い物をし、仕事にでかける。
  そうしたことをストレスなくできる街が暮らしやすい街である」。
 
  これは、ロンドンのライフスタイル誌
  『MONOCLE(モノクル)』が毎年発表している
  「世界で最も住みやすい25の都市ランキング」の選定基準です。
 
  2013年度、栄えある首位を獲得した都市はコペンハーゲン。
 
  ランキングには4位に東京、12位に福岡、13位に京都、
  と日本の都市が3つもランクインしており、
  生活の利便性や、幅広い食を楽しめる点などから高評価を得ています。

  コペンハーゲンは、このランキングが始まった当初から
  常に上位にランクインされています。
 
  コペンハーゲンを首都にもつデンマークは、米コロンビア大学発表の
  「幸せな国ランキング」でも1位に選ばれている幸福度の最も高い国です。
  今でこそ豊かな国家と認識されていますが、
  19世紀初頭には経済破綻や領土喪失も経験しています。
 
  そこからの改革や努力を怠らなかった結果が
  今現在のデンマークをつくっているのではないでしょうか。
 
  ものの豊かさでは日本も負けておりませんが、
  幸福度ランキングで日本は43位。一体どこに違いがあるのでしょうか。
 
  もちろん北欧は医療制度や教育が充実しているので、
  生活する上での不便がないことは幸せな事でありますが、
  もうひとつ、長い歴史の中で培ってきた精神があるといいます。
 
  日本が礼儀を大切にするように、北欧とくにデンマークは
  平等という意味の“ジャンテロウ”に価値を置いています。
 
  1位や成功を目指すこと、また自分だけが秀でていることは
  幸せではないと考え、「皆が同じラインの上」と考える国民性のようです。
 
  生活水準の高低ではなく、“ジャンテロウ”の精伸を持っていることで
  高い幸福感を感じることができていることが、
  幸福度ランキング上位を北欧が占めている結果に表れています
  (2位ノルウェー、5位スウェーデンなど)。

  移住先にアジアを選択する方が多い中、北欧の人気も根強くあります。
 
  物価が高いイメージがありますが、実際は日本とさほど変わらず、
  なにより充実した医療制度や自然の多さが人気の理由です。
 
  同じ生活をしていく中でも緑が多ければ自然とリラックスでき、
  病気になっても無料で医療を受けることができる。
 
  そして、“ジャンテロウ”が活きるおおらかな国の雰囲気も、
  日本とはまた違う魅力のひとつと言えます。
 
  (アルフィックス日報)