●デトロイトは今
 
  かつては米国の自動車産業の拠点であり、
  また世界的に見ても有数の工業都市であったミシガン州デトロイト市。
 
  産業の栄華を極めた同市ですが、2013年7月に
  連邦破産法9条の適用を申請し、破綻しました。
 
  負債総額180億ドルは言うまでもなく米国史上最大の
  破綻自治体となったことは記憶に新しいところです。

  半年が過ぎ、破綻した影響は目に見える形となっています。
 
  街灯の約40%が故障し、人口はピーク時の63%に減少。
 
  廃墟家屋は8万件近くにのぼり、夜になるとさながら
  ゴーストタウンのような感じになってしまうようです。
 
  そのような状況下にあるため犯罪発生率は上昇しますが、
  警察に通報して警官が現場に到着するまでにかかる時間は
  平均58分(全米平均11分)と問題になりません。
  当然事件解決率はわずか8.7%となっており、
  デトロイト市は悲惨としか言いようがありません。
 
  市のサービスはほぼ止まっているため、
  学校などの公共施設は次々と廃墟と化し、人口は低下、
  犯罪は増加傾向と負のスパイラルが同市を蝕んでいます。

  債務返済と公共サービスを両立させることはほぼ無理とのことで、
  スナイダーミシガン州知事は
  「そもそも債務返済のために増税しても、
  市民は増税分を支払えない状況だ。
  また税率は法定上限いっぱいとなっている。」
  と苦しい現状を語り、破綻した街に住むことは
  想像以上のリスクが潜んでいるものと推測されます。

  かつての面影を見ることができるのは
  デトロイト美術館にある美術品ぐらい、
  しかしその美術品も債務返済の為に売却されて
  デトロイト市から姿を消すかもしれません。
 
  米国で最初にゴッホの作品を購入した同美術館が所蔵する
  膨大なコレクションは、競売大手クリスティーズによると
  推定で100億~200億ドルになるのではと試算されています。
 
  全て高値で売却できれば債務の大部分が
  返済できる形となりそうですが、歴史ある美術館だけに反対も多く、
  はいそうですかという問題ではなさそうです。
 
  美術館が襲われる前に結論を早く出した方がいいと
  専門家は懸念しています。

  日本はアベノミクスの真っ最中、
  どんどん国債を発行してばら撒いていますが、
  将来そのツケが回ってきたときに債務不履行となってしまった場合には
  デトロイト市と同じ道を歩む可能性も否定できません。
 
  そうなると、ほとんどの価値あるものがその場所から流出し、
  残るものといえば負債だけとなります。

  今回デトロイト市の現状を画で紹介できませんが、
  さながら映画に出てくるようなその光景を見て
  目に焼き付けておくことは非常に重要なことかもしれません。
 
  Xデーが来ないことを祈りながら。
  (アルフィックス日報)