●育ち盛りの若い木ほど旺盛森林の二酸化炭素吸収
 

京都議定書の日本の実績は?

  京都議定書の第一約束期間(2008年~2012年まで)で

  日本は1990年比で6%の温室効果ガスの削減を約束していました。

 

  昨年の11月の石原環境大臣の発表では

  「基準年(1990年)比で8.2%削減となる見込み」で、

  目標を大きく上回りました。

 

  この8.2%のうち、約半分に相当する3.8%は、

  森林による二酸化炭素の吸収が貢献しています。

 
  ※森林による二酸化炭素の吸収は、2010年以降4%を超えていますが、
  京都議定書の計算上ルールで算入の上限が3.8%までと決められています。
 

二酸化炭素をよく吸収するのは若齢の針葉樹

  ところで、二酸化炭素(CO2)の吸収は、
  ブナやクヌギ、ナラのような広葉樹でなく、
  スギやヒノキなどの針葉樹の方が旺盛です。
 
  しかも、若齢の成長期の樹木の方が、よく吸収します。
 
  次のグラフは樹種別に林齢とともにCO2の吸収量が
  どのように推移していくかを表したグラフです。
 
 
  二酸化炭素を吸収する能力は林齢が
  10年~40年程度の若齢な木が最も活発で、
  40年を過ぎると、低下していくことがわかります。
 

日本の育成林の林齢構成

  次のグラフは日本の育成林(人工林)の林齢別構成を表したグラフです。
 
  これを見ると、主にスギ・ヒノキなど、
  (若齢期により多くのCO2を吸収する)針葉樹から構成されており、
  46~50年生以上が大半を占めています。
 
  つまり、森林の半数は若齢期を終え、成熟・老齢期に入り、
  利用に適した時期を迎えていることになります。
 
  喩えれば、日本の社会と同じように、
  日本の森林は「少子高齢化」を迎えていることになります。
 
 
  京都議定書では、二酸化炭素の吸収量としてカウントできるのは、
  天然林でなく、杉やヒノキなどの育成林(人工林)です。
 
  森林を吸収源として活かすためには、利用すべき成熟した森林を伐採し、
  資源として有効に活用するとともに、伐ったところに、
  若い木を植えるという「森林の更新」を促進する必要があります。
 

日本の森林を利用すべきもうひとつの理由

  日本の森林を活用すべき、もう一つの理由があります。
 
  それは、今、伐って使わないと私たちの子孫、次世代に
  森林資源を残すことができないからです。
 
  上の林齢別構成を見てもピークは46~50年生(163万ha)で、
  これに対して、1~5年生は7万ha。
 
  高齢化社会と言われる日本の年齢構成以上にいびつな構成になっていて、
  40年後には、日本の森林資源は、
  大部の人工林が老齢木ばかりになってしまいます。
 
  日本は、木とともに文化を築いてきた「木の国」です。
 
  この文化を絶やさないためにも、利用適齢期の木を伐採して、
  使って、森林の更新をする必要があるのです。
 
  森林の更新を促進するために、私たちができことは、
  国産材を積極的に利用することです。
 
  国産材の利用が促進されれば、森林の伐採→植林の更新も進みます。
 
  昨今のエコブームに乗って、国産材住宅だけでなく、
  家具や文具、キッチン用品など、
  徐々に国産材製品の数が広がりを見せています。
 
  私たちの身近なところにも、国産材の利用環境は整いつつあります。
 
  この広がりを後退させないためには、
  さらに木づかいを促進することが大切です。
 
  消費者である私たちが国産材製品を
  選択利用すべき時期を迎えているようです。
 
  (木づかい友の会通信)