● 【1円切手】
  消費増税に伴う郵便料金の改定が行われています。
 
  11年ぶりに発行されている2円切手のうさぎのデザインが
  密かに人気を呼んでいるようですが、
  こんな時にこそ使ってみたいのが1円切手です。
 
  これにデザインされているのが、
  郵便制度を日本で確立した人物“前島密”です。
 
  お金で言えば高額の紙幣にこそ人物が記されていますが、
  普通切手では日本は鳥が使用されることが多く、
  唯一、普段使われる機会の少ない日本の最低金額である1円切手に
  “郵政の父”と呼ばれる前島密が印字されています。
 
  切手を発行する当初は国民に威厳を示すため
  天皇陛下が切手に印字される案が出ていましたが、
  「消印で切手を汚せない」という主張が宮内庁から出されて以降、
  人物画はあまり使われておりません。
 
  そういう経緯を踏まえると普段あまり使われる機会の少ない
  1円切手だからこそなのでしょうか。

  前島密は、坂本龍馬と同じ時代を生きた人物です。
 
  18歳の時にアメリカ海軍提督ペリーの来航の様子を見て、
  日本国を守る方法を考え始めたそうです。
 
  その後、江戸から西の国々を旅してまわり見聞を広めます。
 
  年号が明治となった日本で政府役人の旅行手配や、
  手紙や品物を送る仕事を行うようになりました。
 
  この頃から日本の国の通信システムを新しく変えることを考え始めます。
 
  当時の手紙のやりとりは、急ぎの連絡が出来ないことや
  手紙自体が相手の手元に届くのかどうか不透明でした。
 
  まずは政府のものだけでなく民間のものも東京と大阪から
  毎日1回手紙を送り出すこととし、金額も一律にし、
  月々の収入は1500両(約1億5000万円ほど)を超えると算段しました。
 
  その後、このシステムを確立するために生まれたのが
  「切手」「ポスト」「ハガキ」です。
 
  その後、早くから進んだ郵便制度を確立していた
  イギリスにも学びに行くことで、
  全国に広がる現在の郵便制度を作り上げたのです。

  実は、前島密の残した実績はこれだけではありません。
 
  学問を広めるために難しい漢字の廃止を訴え、
  将軍徳川慶喜に建議書を提出し国字の改良に努めています。
 
  明治政府に対しても、
  新しい首都は国の中央にある江戸でなければならないと進言し、
  江戸遷都が決まり東京とされたと言われます。
 
  その他にも海運、電信、電話、鉄道建設や新聞創刊、保険制度、教育など、
  今私達が生活する基礎となっている大部分に関わっていた人物
  と言っても過言ではありません。
 
  それにも関わらず、我々の認知度はあまり高いとは言えません。
 
  あくまでも人々の暮らしをより良いものに、
  日本を変えてゆこうと尽力した前島密の信条は
  「縁の下の力持ちになることを厭うな。
  人のためによかれと願う心を常に持てよ」です。
 
  昨今当たり前となっている社会システムを
  一から作り上げた人物がいることに感謝しながら、
  ぜひ1円切手を使ってみてください。
  (アルフィックス日報)