●国家は人なり
  生産人口比とは、子供や高齢者など自力では労働市場から、
  冨を獲得できない人を何人の働き手で支えているかの比率です。
 
  増加するのが人口ボーナス、減少するのが人口オーナスにあたります。
 
  実はこの比率と面白いほど同じ動きをするものがあり、それが土地の価格です。
 
  各国のデータを比較すると、
  生産人口比が上昇するに連れて不動産価格が上がってバブルが大きくなり、
  生産人口比のピークを過ぎるとバブルが崩壊する傾向がはっきりと表れています。
 
  日本の生産人口比が最大の約2.3になったのはバブル崩壊の年の1990年。
 
  アメリカは2007年の約2.0で、サブプライム・バブルが崩壊した年です。
 
  ヨーロッパに目を転じると、ギリシャとポルトガルの転換点は2000年、
  アイルランドとスペインの転換点は2005年と、
  見事に不動産バブルの崩壊と合致しています。
 
  この法則にのりますと、一番恐いバブル崩壊が
  ここ2~3年の間に起きるかも知れません。
 
  それはもちろん中国のバブル崩壊です。

   一人っ子政策を長く続けた結果、中国の出生率(合計特殊出生率)は1.18と、
  日本の1.39を下回る低さになっています。
 
  さらに都市部では北京市が0.71、上海市が0.74で、
  天津までの下位6省市が1.0以下という驚くべき数字が出ています。
  このままでは2100年には人口が3分の1、
  約4.6億人に減ってしまうとの声もあるといいます。
 
  日本は1996年に生産年齢人口がピークアウトしてから
  人口オーナスの影響を受けはじめ、
  総人口が2008年頃からその影響が深刻化したのですが、
  これと同じ経路を辿るのならば、中国でも生産年齢人口の減少によって
  すでに人口オーナスが始まっており、2020年頃にはその影響がはっきりし始め、
  総人口が減少に転じる2020年代には成長を続けるのが
  難しくなる可能性があると指摘されています。

   人口ボーナスが顕著に表れていたのが「東洋の奇跡」といわれた
  高度経済成長期の日本と、文化大革命後にベビーブームが起き、
  90年代の改革開放による爆発的な経済成長に繋がった中国です。
 
  それを考えると、今後の中国がバブル崩壊後の日本と同じように
  低迷の道を辿るのかは、この人口の減少をどう留めるかにかかってくると思います。
 
  また、日本においては生産人口比が伸びない今の現状から言いますと、
  大規模な金融緩和による不動産バブルという議論は不毛なものであり、
  起こるべき中国のバブルに対応することが最優先課題ではないでしょうか。
 
  いまや中国が周りの国々に与える影響は計り知れませんので、
  先に人口ボーナスもオーナスも経験している日本には、
  大人の対応が求められるように思います。
 
  (アルフィックス日報)