経営難の中、若年者率が上昇!林業の仕事と林業に潜む力
林業といえば、すっかり古い産業というイメージを持たれがちですが、
かっては多くの山村地域の基幹産業でした。
都市にお住まいの方にとっては、「林業」と聞いても今一歩、
ピンとこないの方もいらっしゃると思います。
しばしば3K(キツイ・キタナイ・キケン)で表現されることがあり、
何か近寄りがたいイメージをお持ちの方も少なくないと思います。
しかし、最近、テレビのニュースや特集などで「林業」がピックアップされたり、
映画やドラマなどでも「林業」をモチーフにしたものを見かけるようになりました。
また、女性の活動も見られるようになりました。
林業は、再び脚光を浴びつつあるようです。
日本では、新規に林業に就業する人も少なく、
おもに先祖代々の家業である人たちが、受け継いで従事してます。
しかし、現状では、林業生産活動の停滞などにより経営は厳しく、
林業の若者離れが進むとともに、就業者の高齢化が進んでおり、
担い手不足と若者を中心とした新規就業者の確保と育成が、
大きな課題となっています。
しかし、ここ10年間で林業の改善の兆しが見えてきました。
林業就業者数の下降傾向に歯止めがかかり、林業の新規就業者数が増大、
若年者率が上昇傾向に転じたのです。
低迷していた林業もようやく光が見えてきたようです。
その大きな役割を果たしているのは、林野庁が行っている「緑の雇用」。
林業の新たな担い手の確保と育成を目的として行われている人材育成事業です。
「緑の雇用」では、林業に興味・意欲を持ち、
新たに林業で働きたいという人たち(未経験者)を対象に、
林業に必要な知識や技術の習得の支援が行われています。
「緑の雇用」は、平成15年度から実施しており、
初年度よりその効果が顕著に現れています。
資料:森林・林業白書/平成26年度版
林業の新規就業者数は、平成15年度より顕著に増加し、緑の雇用により、
現在でも全体の3分の1程度の新規就業者を毎年確保しています。
現在の林業就業者数は約5万人(※)です。
日本の林業を維持するための必要最小限の人数です。
現役の高齢者が引退する中で、今後は今の水準以上に新規就業者を確保しないと、
日本の林業の維持が難しくなると言われています。
※昭和40年には約26万人の林業就業者がいました。
(木づかい友の会通信)