●全員野球
  8月11日から阪神甲子園球場で行われていた
  夏の全国高校野球大会が閉幕しました。
 
  台風の影響で史上初めて開会式が
  2日間順延されるということもありましたが、
  今年も素晴らしい試合を届けてくれました。
 
  高校野球は夏の風物詩として、
  数々の歴史や名シーンを彩ってきました。
 
  甲子園球場も大正13年に完成してから90年という月日が経ち、
  今では高校球児の憧れの舞台であり続けています。
 
  毎年楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

  高校球児がひたむきに白球を追いかけている事をイメージすると、
  経済、ビジネスには縁がないように思われがちです。
 
  しかし、高校野球の与える経済効果は
  様々な部分に形となって生み出されています。
 
  スポーツをとりまく人々を、大きく三つに分類すると、
  スポーツをする人、スポーツを観る人、
  スポーツを支える人に分けられます。
 
  高校野球では、「する人」と「観る人」が消費者になり、
  「支える人」がビジネスを行っている傾向にあります。

  野球に必要な道具を揃えるとなると
  スパイク、バットそして、グローブは
  硬式仕様だと数万円の出費が必要になります。
 
  野球部の部費は年間で平均8万円、
  高校側で部費として選手1人に費やす費用は
  6万円から10万円です。
 
  そのほとんどは遠征の交通費や
  宿泊代、ボールやネットなどの
  練習に必要な消耗品で消えていきます。
 
  春や夏の甲子園に出場が決まると、
  さらに多くの費用が必要となります。
  グランドに立つ選手ばかりではなく、
  野球部全員が甲子園球場で応援するのが一般的で、
  1校でバス数台になることも少なくないです。
 
  このような費用を全て合わせると、
  高校球児1人あたり年間平均60万円の
  お金がかかる計算になります。
  高野連の資料によると、平成26年度の高野連登録部員数は
  過去最高の17万312人で、単純計算すると、
  高校球児が生み出す年間の消費は1000億円以上になります。
 
  この年間の消費が野球をする環境を整え、
  高校球児の技術向上に繋がっているのも事実です。
 
  最近、二刀流の大谷選手など有望な選手が数多く出てくるのは、
  高校球児とビジネスの繋がりが強くなっているからかもしれません。

  その反面、全体の野球人気は落ち込んできていると言われています。
 
  しかし、高校野球の部員は増えているという矛盾な動きをし、
  カープ女子を筆頭に女性にもプロ野球の良さが浸透しつつあります。
 
  2003年阪神タイガース優勝の経済効果は
  約1481億円とも言われています。
 
  やはり、高校野球に限らず野球は様々な経済、
  ビジネスが潜んでいることが分かります。
 
  高校球児は秋の訪れと共に先輩の気持ちを引き継ぎ、
  栄光の甲子園を目指して走り続けます。
 
  その高校球児を「支える人」はよりよい試合を届けるための
  10人目のプレイヤーなのかもしれません。
 
  (アルフィックス日報)