●電柱のない日本へ


  現在、日本には約3500万本の電柱が立てられており、
  その本数は毎年7万本のペースで増加しています。
 
  この状況は、先進国ではあるまじき事態です。
 
  世界各国の主要都市では、日本のように、いたる所に電柱が立ち、
  電線が張り巡らされている光景は見られないのです。
 
  香港やシンガポールなどアジアの都市はもちろん、
  ヨーロッパでは20世紀初めというかなり早い時期から
  無電柱化が進んでいます。
 
  国土交通省の調べによると、ロンドン、パリ、ボンの無電柱化は
  100%に達しており、いまや電柱のない社会が普通とされています。
 
  そんな中、東京都23区の無電柱化はたったの7%にしか至っていません。
 
  海外には、見慣れない電柱・電線をカメラに収める
  電柱マニアまで存在するようで、もはや無数の電柱・電線は
  日本特有のものと言っても過言ではない状況です。
 
  日本も先進国のひとつ、世界の目が日本に向く2020年
  東京オリンピックまでに、日本中とくに東京の電柱をなくそう
  というプロジェクトが立ち上がっています。
 
  “無電柱化”という取組みは、実は昭和61年頃から掲げられていました。
 
  しかし、道路のほとんどが、都道府県や市町村レベルの管轄で、
  国が指揮をとっても先に進めることが困難になり、
  平成10年代後半からは、取組み自体が頭打ちの状況でした。
 
  しかし今、世界の都市と肩を並べることのできるレベルまで
  日本を持ち上げるため、無電柱化は日本にとって大きな課題です。
 
  電柱をなくすメリットはなにか。
 
  景観が良くなり美しい街並みになることだけでなく、歩道が広がり、
  車椅子利用者なども快適に通れる道になります。
 
  また、電線類の地中化を図ることにより、地震や台風の災害時に
  電柱が倒れたり、電線が切れる心配がなくなり、
  よって緊急車両の通行もスムーズになります。

  一方でデメリットも存在します。
 
  電線のメンテナンスの際に毎回地面を掘らなければならなくなります。
 
  また、破損箇所が目視ではわからなくなることは
  デメリットのひとつと言えるでしょう。
 
  災害時に地面に異常が起きてしまった場合には、
  その復旧は現在よりも大変かもしれません。

  無電柱化に成功している世界の都市を見ると、
  ぜひ日本も挑戦したいところ。
  しかし、美しい街並みを実現できる一方で、災害の多い日本では
  メリットとデメリットが同時に現れる可能性がおおいにあります。
 
  どのような策が考えられていくのか、今後注目のプロジェクトです。
 
  (アルフィックス日報)