【日本のミライ】
 
  水素燃料自動車について、こんな記事もありました。

  2015年3月期の連結純利益が上場企業で初めて
  2兆円に乗せる見通しとなったトヨタ。
 
  消費増税後で回復が遅れている日本や中国など
  新興国の不振を主力の北米市場の販売促進と原価の改善で
  乗り切り最高益を叩き出しました。
 
  また、通期で想定していた為替レート104円に対し、
  日銀の金融緩和により足元では114~115円と乖離していることから
  決算の更なる上方修正に期待が持てそうです。

  そして、11月18日、満を持して世界初となるトヨタの燃料電池車
  (FCV)ミライがお披露目となりました。
 
  もうご存知かと思いますが、FCVとは水素と酸素の化学反応によって
  生み出す電気をエネルギーとして走り、
  水しか排出しない究極のエコカーと呼ばれています。
 
  値段は市場販売価格700万円ですが、
  政府からの補助金200万円が免額されるため
  実際の負担額は500万円となります。
  初年販売の700台は官公庁を中心に納品先が決まっており
  一般ユーザーの手元に届くことは残念ながらなさそうです。
 
  他にも2015年の概算要求で水素関連401億円、FCV関連300億円と
  合計700億円の予算が組み込まれており、
  政界政界を巻き込んだ水素元年の幕開けとなります。

  FCVなど水素改革に力を注ぐ理由には、
  エネルギー(資源)に対して脆弱な日本が初めて主導権を持って
  世界を牽引できる技術と生産性を持っており、
  安全保障面などほぼ全ての環境条件が整っているからです。
 
  政府は2020年東京オリンピックを日本が目指す
  水素社会の発信舞台として絶好のチャンスと捉えています。
 
  既に昨年6月の国連部会では、
  日米欧など33カ国が燃料電池車の安全性の国際基準で
  日本案を採用することを決めており、
  日本メーカーは国内仕様のまま海外市場に輸出できる道が開かれています。
 
  また、これまで知財戦略がネックとされていた日本ですが、
  今回は先手を打っており水素の特許出願件数では
  ドイツ12602件、米国29677件に対し、日本は65023件と
  圧倒的なシェアを占めています。1
 
  990年代から約20年に亘る開発技術の積み重ねが
  ようやく実利となって返ってくる日も近そうです。
 
   日本が水素を基幹産業として育もうとしているのは、
  水素の製造、貯蔵、輸送といったサプライチェーンの中で
  世界に誇れるトップ企業が存在するからです。
  官民が協力して新しい日本の姿が築き上げられる今、
  その裏側には必ず既得権益に群がる横槍が入ります。
 
  芽吹き始めた流れを支え続けるには、
  私達一人一人の関心と声(世論)が何よりも力強い
  サポーターになるのではないでしょうか。
 
  (アルフィックス日報)