●貸スタム!!
 
  欧米では賃貸物件の入居者が壁紙を変えたり
  棚を取り付けたりすることは一般的なことでしたが、
  日本では借主は退去時に部屋を入居前の状態に戻す義務があるため、
  室内を改装することは禁止されているのが常識でした。
 
  ところが最近では、今までの賃貸とは少し変わった
  「カスタマイズ賃貸」を提供するケースが増えてきています。

  カスタマイズ賃貸とは部屋を自分の好きなように、
  自分の住み心地の良くなるように自由に改装ができる物件です。
 
  入居時に自分の好きな壁紙や照明を選べたり、
  退去時も入居前の状態に戻す費用を請求されない
  といった自由度の高い物件に住むことができます。
 
  例えば、老朽化した賃貸住宅では借手が付きづらいため、
  共用部分以外の全面的な改装を可能としている場合があります。
 
  他にも照明の交換などの簡易的なものから
  間取り変更といった大掛かりなカスタマイズ可能な物件も出てきました。
 
  そして、大家さんがカスタマイズ費用の一部または全部を負担という形で
  入居前にカスタマイズを済ましてくれるケースも増えています。

  2013年のカスタマー調査によると、
  約90%の人が今まで部屋のリフォームやカスタマイズをしたい
  と思ったことがあると回答しています。
 
  また、賃貸住宅入居者の「リフォーム・カスタマイズしない」理由のトップには
  「契約上許されないから」という理由も挙がっており、これらを踏まえると
  「元に戻さなくて良いなら、自分の好きな部屋に改装したい」
  というニーズが高いことがわかります。
 
  昨今よく耳にするDIYも追い風になっているようで、
  作った家具に部屋の雰囲気を合わせることも出来る
  カスタマイズ賃貸に注目が集まるのも当然ことと思われます。

  このカスタマイズ賃貸の広がりの背景にあるのは空き家、空室問題です。
 
  総務省の調査では2013年の全国の空き家総数は約820万戸であり、
  この20年間で1.8倍となっています。
 
  そのうち半数以上は賃貸物件となっており、
  国交省は昨年3月に空き家活用策として
  「借主負担DIY型」の賃貸借契約のガイドラインを公表しました。
 
  空き家はメンテナンスに手が回らず放置されているケースが多いため、
  借手が改装して住むようになれば
  空き家の有効活用につながると期待されています。

  こうした問題から脱するために、入居者のメインである
  20~30代のニーズを反映する取組みが必要になってきています。
 
  自分好みにカスタマイズできる部屋に「愛着」がわき、
  結果長く住もうという意向に繋がります。
 
  カスタマイズ賃貸の増加は、これからの住宅の価値を
  変える可能性を持っているのかもしれません。
 
  (アルフィックス日報)