●日本の「MIRAI」、世界の未来

  2014年12月15日、トヨタが政府の予算案に
  滑り込むかのように、世界初の量産燃料自動車
  (FCV)「MIRAI」を発表しました。

  価格は、670万円+税に補助金が225万円超付き、
  愛知県だけはさらに75.7万円の補助金がプラスされます。

  当初、1台1億円以上と言われていただけに、
  手の届く値段帯になったと言えます。

  ただ、水しか排出しない究極のエコカーと言われていますが、
  燃料となる水素を精製する際に、どうしてもCO2を
  排出してしまうことをご存知でしょうか。

  燃料電池車の燃料となる水素ですが、
  太陽光発電を使って水を電気分解し、
  そこから得た水素を燃料とするならば、
  CO2の排出量は14g/km(1km走行当たり)です。

  しかし、現行の技術で水素を取り出した場合には、
  79g/kmのCO2を排出していることになるそうです。

  これは地球上のエネルギー源が、化石燃料・原子力・
  自然エネルギーの三種類しかないためです。

  これらを一次エネルギーと呼びますが、
  化石燃料と核燃料は地中を掘れば得られ、
  自然エネルギーは毎日太陽から与えられます。

  東芝が太陽光から直接水素を転換することに
  成功していますが、実用化レベルには程遠い状態です。

  そのため、現段階で効率良く水素を精製するには、
  化石燃料を採掘して副産物として出る水素を
  採取するしかないのです。

  ここで日本自動車研究所が発表している
  研究データを見てみます。

  ガソリン車147・ハイブリット車95・PHV102・EV55・FCV79。

  これはそれぞれの自動車が、1km走行するのに
  必要な燃料を精製レベルまで見て
  CO2の排出量を計測したものです。

  FCVに関するデータは前項の通りですが、
  ここでご注目いただきたいのが、
  なぜFCVがEVよりエコではないのかという点です。

  これは水素が軽すぎるという弱点があるためです。

  現在、水素をFCVに搭載するには産業用ボンベの
  5倍にあたる700気圧で注入しなければなりません。

  満タンにするには多くの電力が必要で、
  これは同クラスEVを100~150km走らせる
  電力量に相当します。

  これが、EVよりもFCVがCO2を多く排出してしまう
  原因となっているわけです。

  このように燃料の精製面と補充面で、
  FCVはEVよりもCO2を排出しており、
  究極のエコカーとしては
  まだまだ未完成と言えそうです。

  それでも、日本は世界に先駆けて
  水素社会の実現に向けた
  ロードマップの策定を掲げています。

  世界で水素社会のリーディングカントリーとなるためにも、
  水素を精製・補充する技術力を強化し、
  FCVをより究極のエコカーに
  近づけていってもらいたいものです。

  (アルフィックス日報)