●転  機      
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  日本が連休の最中、世界の自動車業界に激震が走りました。

  ドイツVW(フォルクスワーゲン)社のディーゼルエンジン問題です。

  米国に輸出したVW車に不正プログラムを搭載し、
  排ガス試験の時だけ排出ガスが少なくなるように調整していました。

  購入したユーザーは、発表値の10~40倍の排ガスを排出して
  走行していたことになるそうです。

  今のところ、米国で48.2万台、全世界で1100万台を
  出荷していたことが明らかになっています。

  そもそもクリーンディーゼル車は、ハイブリッド車よりも安く、
  同様の低燃費、そして高出力であることから、
  アウトバーン(ドイツの自動車高速道路で速度無制限区間が有る)の多い
  欧州市場を中心に販売数を伸ばしていました。

  また、欧州では域外からの輸入と海外メーカーの現地生産に
  高い関税を掛けているため、欧州車が事実上の独占状態だったわけです。

  そこに今回の米国での不正ですから、
  この不祥事の影響はどこまで波及するのか見当がつきません。

  今のところ、リコール費用として65億ユーロ(約8700億円)、
  米環境保護局への制裁金で2兆円が必要となる見通しです。

  それよりも欧州車全体の信用、
  さらにはクリーンディーゼルへの信用も失墜したと言えるかもしれません。

  今回の問題が発覚した事の発端は、
  米ウエストバージニア大学の研究結果の発表によるものでした。

  しかも、2014年12月にリコール改修をすでに開始していたのですが、
  改修後も改善されていないことがカリフォルニアの検査機関で発覚し、
  結局、VW社が不正プログラムの存在を明らかにして
  今回の騒動に発展したようです。

  この不正プログラムというのは、簡単に言えば、
  優等生モードと不良モードが、走行内容によって切り替わるというものです。

  つまり、実際の走行のような
  急発進や急加速などを考慮した基準で計測した際に、
  合格した基準の計測時よりも数値が極端に悪くなったことに
  疑問を持たれたようです。

  こんな凝った不正プログラムの開発ができること自体が
  凄いという見方もあるようですが、ある意味、
  クリーンディーゼルという名の不正プログラムと言っても
  過言ではないように思います。
  
  翻って国内を見てみますと、マツダがクリーンディーゼル車を
  開発、販売していますが、ガソリン車に比べて100万円程も高く、
  ハイブリッド車と価格面での差はほとんどありません。

  これは開発費用が上乗せされるからです。

  つまり、今回のVWの不正理由は、
  環境問題をビジネスに変える無理が祟ったと言えるかもしれません。

  おそらく、これで低燃費エンジンの開発競争は収束に向かいそうですが、
  本当の意味で環境にやさしく、ユーザーにやさしい
  自動車の開発を行なって欲しいものです。

  (アルフィックス日報)