●酸蝕歯
====================================
  虫歯の原因は口内の虫歯菌によって引き起こされますが、
  今、スポーツドリンクやフルーツ等の飲食物に含まれる酸で
  歯が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」になる人が増加しているそうです。

  酸蝕歯は虫歯や歯周病に次ぐ、第3の口内疾患として注目されており、
  歯の黄ばみや歯が欠けるだけではなく、
  知覚過敏を引き起こすこともあるそうです。

  以前は、メッキ工業や酸を扱う工場などで蒸発した酸を吸った
  労働者の歯に多く見られていましたが、
  労働環境の改善や産業歯科医の方の対策により
  現在は労災としては激減しました。

  近年、酸蝕歯が増加している背景には健康ブームなどの影響から
  フルーツジュースや野菜ジュース・黒酢などを飲む習慣の人が
  増えたことが原因と考えられています。

  酸蝕歯は、飲食物の酸が原因のため酸性度の高い飲食物を食べたりすると
  口の中全体に広がるため広範囲で起こることが特徴です。

  この原因になる酸性度の高い飲食物は、
  単純に酸っぱいものに限らないので注意が必要です。

  酸性・アルカリ性を示すpH値は、数値が低いほど酸性度が強く、
  虫歯の場合は口内のpH5.5以下になると歯が溶け始めるそうです。

  酸蝕歯で歯が溶け始める値は詳しくは分かっていませんが
  虫歯の値を参照にし、pH5.5以下の飲食物はリスクを高める傾向にあり、
  コーラやミカン・スポーツドリンク・ドレッシング・栄養ドリンクなどが
  酸性度の高い飲食物に該当します。

  酸蝕歯の予防として、
  ①原因となる酸が口の中に長時間残らないように酸性の飲食物を口にしたら、
   その後すぐに水やお茶を飲む・うがいをする。
  ②酸っぱいものを食べた後は30分ほど歯磨きを控える。
  ③フッ素入り歯磨き剤やフッ素入りジェル・フッ素入り洗口液を使う。
  などが大切です。

  ですが、市販の一部の洗口剤や歯磨き剤の中にも
  強い酸性を示す製品があるそうです。

  歯磨き剤が酸性の場合、歯が溶けるのと同時に歯ブラシで磨くため
  歯質へのダメージが大きくなってしまうので
  歯磨き剤などを選ぶ際も注意が必要となります。

  酸蝕歯の原因となる酸性の飲食物は、
  ほとんどがおいしいと感じるものが多く、これらの飲食物を口にすることなく
  生活することは不可能といっても過言ではないでしょう。

  身体の健康のために摂取しているものが歯には悪い影響を及ぼす
  ということも十分にありえることです。

  身体の健康と歯の健康、その両立を目指していきたいものです。

  (アルフィックス日報)