●原油特集③ ~採算コスト40ドル~
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  世界中で産出される原油は、地域によって油種も採掘コストも違いますが、
  少なくとも30ドルを割り込んだ現在の価格に満足している産油国はありません。

  昨今の原油価格下落の要因である、サウジアラビアと米国のシェールオイルとの
  消耗戦は依然続いているものの、双方に焦りの色が出始めているのも事実です。

  市場では米国産のシェールオイルばかりに注目が集まっていますが、
  米国の原油生産量は約1000万バレルで、半分がシェールオイル、
  もう半分がアラスカや海底油田など在来型のものになります。

  そして、この在来型原油の減産見通しもあり、
  米国エネルギー情報局(EIA)によりますと、
  米国の原油生産量は昨年4月をピークに頭打ちとなり、
  今年9月にはピーク時と比べ約130万バレルの減産見通しとなっています。

  低価格の長期化によりエネルギー分野に投資した
  ファンドの解約が相次いでいる上、
  銀行からの融資も見直される可能性が高まっていますので、
  さらなる生産の減少も見込まれています。
 
  一方、シェール潰しを仕掛けたサウジアラビアも
  3000億リヤル(約10兆円)を超える財政赤字が続き、
  海外の保有株を含む準備資産の売却を急いでいます。

  サウジアラビアの財政収支は赤字に転落。

  国際通貨基金(IMF)によりますと、今のペースで準備資産を取り崩した場合、
  5年以内に底をつくと見られています。

  このため、長期間原油価格を低く抑え続けることができないという
  国内事情も見えてきます。

  また、シェールオイル以上に深刻な状況となっているのが、オイルサンドです。

  世界4位の産油国であるカナダでは全体の60%相当の約250万バレルが
  オイルサンドですが、その採算コストは35~40ドルであるため、
  現在は3/4以上が赤字となっています。
 
  現在の原油市場の供給過剰量は150~200万バレルと予測されておりますが、
  オイルサンドの供給が今後減少してくれば、供給過剰量は相殺されることになります。

  (アルフィックス日報)