●香川県三豊市詫間町粟島1317-2まで
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  出したくても出せない相手、つまり故人や、未だ出会っていない未来の旦那さん、
  直接的に想いを伝える事が恥ずかしい好きな相手、今の自分から見る過去の自分へ、
  などに宛てる手紙が集まる郵便局をご存知でしょうか。

  その名も「漂流郵便局」。

  瀬戸内に浮かぶ香川県三豊市詫間町の粟島にある郵便局がそれにあたります。

  この郵便局は2013年に開催された、この辺りの複数の島々を巡りながら
  現代アートに触れることができる「瀬戸内国際芸術祭」で製作された
  芸術作品の1つです。

  この作品が発表されて2年以上経った今なお反響を呼び、
  2015年には書籍化されたほど人気を博しております。

  では、本日は郵便局に届いた手紙の一部をご紹介させて頂きます。

   「やあ、お父さん。今どこにいるのかわからないけど、
  きっと私の周りをつつんでいるんでしょ。
  ちょっと、やあ、っていってみたかっただけ。
  そしてあなたがいなくてとっても淋しいよ、
  心から感謝してるって言ってみたかったんだ。
  私に命をくれてありがとうって。
  そして今も人生をくれつづけてくれてありがとうって。」

  おわかり頂けますでしょうか。通常の手紙といいますと、
  現在の人にしか手紙を送る事しかできませんが、
  過去や未来の人へ想いを綴る事が出来るというのがこの「漂流郵便局」の特徴です。

  そして、それが展示される事によって、その色々な人の想いが
  この郵便局では見ることが出来るのです。

  その不思議なコンセプトが話題を呼んだため、
  当初は1ヵ月の会期中のみの開局予定だったのですが、
  芸術祭終了後も開局を望む声が多く寄せられたことから、
  今も毎月2回開局しています。

  また、マスコミでも紹介された事から話題を呼び、
  引き続き届け先のわからない手紙を受け入れており、
  今ではなんと届いた手紙の総数が1万1400通を超えたそうです。

  皆様におかれましても、書きたくても書けない手紙があるのではないでしょうか。

  「漂流郵便局」は、その伝えることができないまま淀んでいく気持ちを
  消化させてくれる場所であると言えます。

  また、この手紙に気持ちを綴るという行為こそ、
  人間にしかできない行為のように思います。

  巷では残虐な事件などが増え、何か心寂しい思いをすることが増えていますが、
  その失われたものがこの「漂流郵便局」にあるのではないでしょうか。

  この“人間らしさ”を感じるために、一度現地に足を運ばれるか、
  もしくは本を手にとって見るのもいいかもしれません。

  そして、いつかのどこかのだれか宛に手紙を出されたい方がいらっしゃいましたら、
  香川県三豊市詫間町粟島1317-2「漂流郵便局」まで送ってみてはいかがでしょうか。

  (アルフィクス日報)