●行き過ぎたタワーマンション節税への評価               
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  近頃、都市部を中心にタワーマンションの建設ラッシュが続いていますが、
  ここへきてタワーマンションを利用した相続税の過度な節税に
  国税庁が監視の目を強めています。

  タワーマンション節税は、高層マンションなどの市場価格と
  財産評価基本通達に基づく相続税評価額との乖離を利用した
  相続税の節税スキームです。

  相続税の課税ベースが拡大したことを受けて、
  新聞や雑誌にも頻繁に取り上げられているのはご存知かと思います。

  分譲マンションの相続税評価額は、タワーマンションの高層階になるほど
  市場価額との乖離が大きくなりがちです。

  土地は敷地全体を戸数で割って評価するため、
  高層で戸数が多いほど一戸当たりの持ち分は少なくなります。

  また、建物の相続税評価は固定資産税評価と同じで、
  市場価額に反映される「眺望」などのメリットは加味されないため、
  同じ間取り、同じ広さであれば低層階も高層階も同じ評価額になります。

  ところが、マンションの価格は高層階にいくほど値上がりする傾向にあるため、
  相続税評価額は高層階でも底層階でも広さが同じであれば
  同額となることから、タワーマンションの高層階になるほど
  市場価額との乖離が大きくなるということで、相続税対策として
  タワーマンションを購入する富裕層が増えているという訳です。

  又相続後、すぐ売却して現金化するケースもあります。

  国税庁は、このようなタワーマンションを利用した
  過度の節税が増えている事態を問題視し、
  さきごろ全国の国税局に対して監視強化するよう指示を出しはじめました。

  同庁では、市場価格と大きな開きが生じ得る現行の評価方法自体にも
  問題があるとみて、評価通達を見直す考えもありますが、
  当面は、評価通達の改正を待たずに、
  「財産評価基本通達6項」を活用して対応する方針です。

  相続財産は、あくまで評価通達に定められた方法で評価することが原則ですが、
  6項は、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる
  財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」との
  例外的な評価の方法を定めています。

  また、「相続税評価額と市場価額の差が大きい物件で、
  相続後すぐに売却されたケース」などは、行き過ぎた節税とみなされ、
  今後、市場価額に引き戻して追徴課税される可能性もあります。

  しかし、現時点ではどのようなケースが「行き過ぎ」とみなされるかの
  判断基準が明らかにされておらず、タワーマンションの評価を巡る
  法律・通達改正の見通しは不透明といわざるを得ません。

  相続税対策は様々ですが、今後の国税庁の動向に注目が集まりそうです。

  (アルフィックス日報)