●デラウェア州
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  デラウェア州ウィルミントン市北オレンジ通り1209番地、
  その住所には2階建ての平凡な建物が建っています。

  米国ホワイトハウスからわずか数100キロメートルに位置するこの建物に、
  30万社を超える企業が登記されています。

  某有名飲料メーカーや世界的検索会社など、
  米国の名だたる企業がその番地に本社や関係会社を置き、
  そのような建物が数ヵ所存在するそうです。

  デラウェア州の人口は約90万人、企業の数は約94万社、
  なぜこのような現象となるのでしょうか?

  お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
  そう、このデラウェア州は租税回避地(タックスヘイブン)なのです。

   パナマ文書が公開され、報道で租税回避地が
  取り上げられることが多くなりました。

  某国の首相が租税回避地を利用していたことが明るみとなり
  辞任に追い込まれたことや、さる要人の友人が利用している疑惑など、
  現在進行形でその解明が進んでいます。

  報道からはケイマン諸島やバミューダ諸島など、
  観光業以外での収入を目論んだ小さな島々や国という伝え方が多いですが、
  実はこの米国東部の小さな州が世界最大の租税回避地となっているのです。

   デラウェア州の魅力はなんといっても、
  秘匿性の高さとスピーディーな企業設立にあります。

  会社(ここではペーパーカンパニー)を設立する際に、
  実質所有者の情報は必要なく、
  設立を助言する立場である弁護士などが名義上の代表となることが可能、
  こうすることで秘匿性を保つことが可能となります。

  そして会社設立の手続きが非常に迅速なこと、
  数日のうちに設立が可能で、設立すると州法で手厚く保護されます。

  ある専門家によると、パナマなどの租税回避地は
  デラウェア州の制度を見本にしたと指摘しています。

  パナマ文書では米企業があまり報道されていないように感じますが、
  デラウェア州が守っているからでしょうか?

   ちなみに先に挙げた住所に登記されている企業の中には
  次期大統領候補の会社も含まれています。

  ヒラリー・クリントン氏が数社、
  ドナルド・トランプ氏は300社を超えるとのことです。

  トランプ氏は演説会で
  「それだけ多くの金を払っているということ。やましいことは全くない」
  と発言していますが、
  この材料が次期大統領選挙の心理戦で使われるかどうか?

  米大統領選挙の歴史の中で最も人気のない2人といわれる対決に
  影響を及ぼすかもしれません。

  (アルフィックス日報)